学校では教えてくれない起業の“裏”教科書

2015年02月09日
Category :

世に“起業の教科書”的な内容の書籍はたくさん流通していますが、経営に不慣れな起業家が陥り易い初歩的なミスについて説明している教科書は少ないかもしれません。

そこで今回は、経営者が絶対に回避しなければならないリスクについて簡単に説明します。

未だ経営のための資金が十分でない経営者や、将来性のあるノウハウ・技術、アイディアをお持ちの起業家、法人成りを検討中の個人事業主は必読です。

乗っ取りのリスク

起業 東京

例えば、将来有望なノウハウを持っている、経営には詳しいとは言えない個人事業主Aが
知人Bから「資金の全てはこちらで用意するから、会社を設立して一緒に事業をしよう」と共同経営の話を持ち掛けられたとします。
資金の乏しいAは、知人から持ち掛けられた一見美味しいお誘いにまんまと乗ってしまい、新会社の代表取締役として活躍することになりました。

会社設立後、Aのノウハウは会社内部でマニュアル化され、会社名義で商標登録までしてしまいました・・・

その後、全議決権を持つB(注)によって、Aは代表取締役を解任されてしまい、会社内部での居場所を失い、会社を去ることになりました。

不運にもAは、そのノウハウを盗まれ、挙句の果てに会社から追い出されました。

(注)会社設立に際してBが全ての資金を拠出したということは、Bは全ての議決権を保有するということ

この例は、ノウハウなどが盗まれる際によく見られる、最もありがちなパターンの1つです。

上の例は会社設立時を例に説明しましたが、会社設立後の第三者引受けによる増資の際も、上で説明したようなリスクが発生します。

会社設立後の増資の場面では、ノウハウが盗まれるだけでは済まず、会社が乗っ取られるリスクもあります。

起業家がノウハウ・技術、会社などを乗っ取られないために

上の例で、Aがそのノウハウを盗まれた原因は大別して2つあります。

・経営リスクに関して疎いこと
・会社法を知らないこと

新会社設立に際して資金を拠出したBは、全ての議決権を保有することになります。全議決権を保有しているということは、会社を自分の思いのまま経営できるということです。もちろん代表取締役Aを解任して会社から追い出すことも。
こうした事態を回避するために、会社を設立する際も、増資をする際も、議決権の3分の2以上は自分で確保したいところです。資金がない場合は、最低でも議決権の過半数は確保すべきでしょう。

【補足】
なぜ議決権の3分の2以上を自分で保有すべきかというと、合併や事業譲渡など会社経営にとって大切な事項は議決権の3分の2以上ないと決議できないからです。逆に言えば、会社経営にとって大切な事項は議決権の3分の2以上あれば、決議できることになります。だからこそ、議決権の3分の2以上は自分で保有することが大切になるのです。

参照条文:会社法309条

Knowledge Store
株式会社公認会計士 司法書士
高橋善也

起業を支援する東京のシェアオフィス ナレッジソサエティ