「起業家」を聞くと男性をイメージする方が多いかもしれません。
しかし現在は、大きな成功を遂げている、もしくは家事とビジネスを両立して生活の質を向上させている女性起業家も数多く存在します。
むしろ女性である強みや女性向けの制度を利用すれば、男性起業家よりも有利に事業運営ができる可能性もあるでしょう。
本記事では、女性の起業でおすすめの職種や女性起業家の成功例、活用できる制度、成功のポイントなどを解説しています。
自分の目的や生活に合った起業形態や職種を判断して、事業の立ち上げを検討してください。
目次
女性の起業の実態
現在は女性でも起業がしやすい環境になっています。
従来の起業は「初期資金を借り入れて一定のリスクの下で事業を立ち上げる」といったケースも多かったです。
また、店舗やオフィスで業務を行う事業が多かったため、子育てや家事との両立も簡単ではありませんでした。
しかし現在は、IT業界の発達や副業の推進、最低資本金制度の撤廃などによって「初期資金を抑えて」「自宅で」「隙間時間でも」起業ができるようになっています。
その結果、リスクを避けたい方や、家事・育児と仕事を両立したい方でも起業で成功しやすい世の中となっているのです。
起業家の男女比
日本政策金融公庫による「2023年度新規開業実態調査」によれば、新規開業者に占める24.8%が女性であるという結果が出ています。
調査開始以降、年々女性の開業者率は増加傾向にあり、2023年の結果は過去最大の値となりました。
また、本調査は2022年4月から9月にかけて日本政策金融公庫による融資を受けた開業後1年以内の企業が対象となっています。
そのため、融資を必要をしない小規模な事業者を含めるとより女性起業家の割合が高まると予想ができます。
起業する女性の年齢層
日本政策金融校による「女性による新規開業の特徴 」によれば、女性起業家の各年齢層の割合は以下のようになっています。
年齢層(開業時の年齢) | 起業家全体に占める割合 |
29歳以下 | 10.4% |
30歳代 | 26.7% |
40歳代 | 38.5% |
50歳代 | 20.1% |
60歳以上 | 8.9% |
平均年齢は42.8歳となっており、男性起業家と比較すると「20歳代」「40歳代」「50歳代」での起業が多い結果となりました。
参考:女性による新規開業の特徴
女性の起業の開業資金
日本政策金融校による「女性による新規開業の特徴 」によれば、女性起業における開業費用の平均値は「744万円」となっています。
また、全体の30.6%の方が「250万円未満」、23.6%の方が「250万円~500万円未満」の開業資金で起業をしています。
男性起業家における開業資金の平均値が「947万円」であるため、女性の起業では比較的費用を要さない小規模なビジネスが選ばれる傾向にあるといえるでしょう。
なお、本調査は日本政策金融公庫による融資を受けた企業が対象となっているため、自己資金のみで開業した方のデータを踏まえると、開業資金の平均値は下がり、開業資金250万円未満での起業家の割合が増加すると予想ができます。
参考:女性による新規開業の特徴
女性に人気の起業形態
女性の起業では、フルタイムで事業を行う形態がある一方で「パートタイム起業」や「プチ起業」にも注目が集まっています。
パートタイム起業とは、事業にあてる時間が週に35時間未満の起業を指します。
また、プチ起業とは小さな規模、小さな範囲で事業を立ち上げることです。
日本政策金融公庫による「2022年度起業と起業意識に関する調査」によれば、パートタイム起業家の43.9%が女性という結果が出ています。
通常の起業に占める女性の割合が「24.4%」と考えると、男性よりも事業運営に費やす時間が短い傾向にあるといえるでしょう。
加えて、日本政策金融公庫による「女性による新規開業の特徴 」によれば「事業をするにあたり最も重視すること」で「私生活との両立」と答えた方の割合は男性で24.5%、女性で31.4%です。
ここからもパートタイム起業やプチ起業によって「仕事とプライベートを両立したい」と考える女性が多いと判断できます。
参考:2022年度起業と起業意識に関する調査
参考:女性による新規開業の特徴
女性の起業の強み・メリット
女性の起業は男性起業家にはない強みやメリットがあります。
これらの強みを活かして事業を運営できれば、差別化要因や事業の優位性に繋がるでしょう。
ここでは、女性起業の強みやメリットと紹介します。
男性にはない視点で事業を運営できる
女性の起業は男性にはない視点のビジネスプランやアプローチ方法で運営できる点が大きな強みです。
女性独特の悩みや課題を解決する事業プランを見つけやすく、女性の消費者からの共感も得やすいです。
例えば、母親特有の悩みの解決するビジネスを男性一人で計画することは簡単ではなく、女性経営者の方が強い共感を得られるでしょう。
また、美容やネイル、セラピスト、ヨガといった女性が興味を持ちやすい事業プランも立ち上げやすいです。
女性向けのサービス・商品は女性視点である点が非常に重要な要素となるため、男性起業家との大きな差別化が可能となります。
女性向けの事業支援を受けられる
現在は女性の起業を応援する様々な公的支援が実施されています。
具体的には、女性起業の連携ネットワークや融資制度、助成金制度などです。
情報収集が可能となり、資金調達・資金繰りの面でも事業を有利に進められるようになります。
また、女性起業に特化したセミナーやスクールを提供している団体も存在するため、起業に必要な知識を学びやすい環境ともいえるでしょう。
女性起業家のネットワークを利用できる
女性起業家は男性起業家よりも人数が少ないため、より強いコミュニティを構築しやすいです。
女性の起業には女性起業家ならではの悩みや課題が生じやすいです。
そこで、これらのコミュニティやネットワークを活用できれば、課題の解決や悩みの相談が可能となります。
女性起業家を対象としたイベントや交流会も実施されているため、信頼できる人脈を作りやすいといえるでしょう。
顔を覚えてもらいやすい
女性の起業家の割合が増加傾向といっても、未だ4人に3人が男性起業家です。
女性起業家の数は決して多くはないため、他の経営者と会った際に顔や名前を覚えてもらいやすいというメリットに繋がります。
取引先を探す際に相手企業の事業内容が同じであれば「顔や名前を知っている経営者に依頼をしたい」と考える方も多いです。
また「女性起業家」というブランディングも可能となるため、男性起業家よりも印象に残りやすく、仕事の成約に繋がる可能性も高まるでしょう。
女性の起業の主な起業形態
一言で起業といっても様々な起業形態が存在します。
理想とする働き方や事業アイデアなどによって適した起業形態があるため、それぞれの特徴を適切に理解しましょう。
ここでは、女性の起業の主な起業形態を解説します。
副業起業
副業起業とは、会社員やパートとして働きつつ、副業で自ら事業を立ち上げる起業形態です。
上記の「パートタイム起業」に当てはまるケースが多いです。
副業で事業を行う場合、会社員やパートとしての給与収入が確保されているため、起業のリスクが大きく減少します。
また、自分が起業に向いているか否かを判断してから独立・起業ができる点も魅力です。
副業が軌道に乗った段階で個人事業の開業や法人設立といった選択をとることができます。
ただし事業に費やせる時間が制限されているため、営業時間が決まっている事業や多くの初期費用を要する事業には向いていない可能性があります。
副業での起業に興味がある方は、以下の記事で詳細に解説しているためぜひご覧ください。
個人事業主
個人事業主とは、管轄の税務署に開業届を提出した事業主を指します。
フリーランスや一部の自営業などの働き方が当てはまるケースが多いです。
また、上述した副業起業の場合でも、開業届を提出すれば個人事業主として扱われます。
個人事業の大きなメリットは、開業に費用がかからず、手続きも簡単である点です。
また、青色申告を活用すれば節税効果も生まれるため、本格的に事業を始める場合には検討してください。
一方で、完全に独立して個人事業主になると、社会的信用度の低下や社会保障の不安定さに繋がる可能性があるため注意が必要です。
以下の記事では個人事業主のメリットやデメリット、開業方法などを詳細に解説しています。
個人事業主としての開業に興味のある方はぜひご覧ください。
法人設立
起業時は法人設立という選択肢もあります。
法人とは、法務局に法人設立の登記を行って「株式会社」や「合同会社」などの形で事業を行う形態です。
法人を設立して起業を行う場合、個人事業主と比較して社会的信用力を得られます。
中には取引先を法人に限定している企業も存在するため、機会損失を防止できるでしょう。
しかし、法人設立には一定の費用を要し、手続きも複雑である点に注意が必要です。
また、利益が少ない時期は個人事業主が負担する所得税の方が税率が低いため、最初は個人事業主として起業する方が多いです。
後から法人成りも可能であるため、まずは個人事業主としての開業を検討してはいかがでしょうか。
ただし、起業直後から莫大な利益が見込める場合や、第三者からの信頼が重要なビジネスを展開する場合などは法人設立の選択肢も有効です。
法人形態は様々ですが、必要な公的費用が少なく手続きが簡易的な「合同会社」がおすすめです。
合同会社の概要やメリット・デメリット、設立方法などは以下の記事で詳細に解説しているため、ぜひご覧ください。
代理店業務
代理店業務とは、メーカーと顧客の売買を仲介するビジネスモデルです。
基本的には成約した実績による成功報酬型となります。
厳密には個人事業主としての働き方になることがほとんどですが、代理店業務は既にビジネスモデルが定まっている点が魅力です。
「起業のアイデアはないが自分の力で稼ぎたい」といった方にもおすすめです。
しかし、働き方の実態としては会社員の営業職に近いと感じる場合もあります。
そのため、自分が行いたい仕事を明確にして起業形態選びの1つの選択肢としましょう。
フランチャイズ
フランチャイズとは、本部と事業者がフランチャイズ契約を締結して、商標の使用権や商品・サービスの販売権などを得られる起業形態です。
事業者は加盟金や売上・利益に応じたロイヤリティを支払うこととなります。
フランチャイズでの起業は、個人事業主でも法人でも事業の立ち上げが可能です。
既に売上を生み出す仕組みが完成しており、有名企業の名前も使えるため、比較的に事業を軌道に乗せやすい方法といえます。
また、本部からの支援を受けながら事業運営ができるため、起業についての知識が少ない方にもおすすめです。
しかし、あくまでも本部の方針に沿った事業運営が求められるため自由度は低く、ロイヤリティが財務状況を圧迫する場合がある点などに注意が必要です。
女性の起業におすすめの職種8選
起業で成功できるか否かは、職種選びが大きく左右します。
女性の強みや環境に合わせた職種を選べれば、起業の成功確率は向上するでしょう。
ここでは、女性の起業におすすめの職種を8つ紹介します。
ほとんどが時間や場所に囚われず働ける職種であるため、女性起業にピッタリといえます。
Webライター
Webライターとは、Webサイトに掲載される記事の文章を執筆する仕事です。
クライアントに記事を納品して報酬を得るビジネスモデルとなっています。
Webライターの大きなメリットは、初期費用がかからず参入障壁が低い点です。
開業に特別な知識やスキルは不要で、設備もパソコンがあれば始められます。
一方で、専門的に執筆ができる分野がない場合、中々単価が上がらない可能性があります。
また参入障壁が低い分、競合も多い職種であるため、働きながら少しづつスキルや実績を積み上げることが大切です。
Webサイト運営
Webサイトの運営とは、自身のサイトを立ち上げて広告収入やアフィリエイト収入を得る仕事です。
上記したWebライターの知識を活かせるため、WebライターとWebサイト運営を両方行う方も多いです。
Webサイト運営は報酬が青天井である点が大きな魅力です。
閲覧数を獲得できれば非常に大きな利益を期待できます。
また、稼働ができなくなっても過去の記事が収益を生むストック型のビジネスである点もメリットとなります。
ただし、成果を上げられなければいくら稼働時間を確保しても収益が生まれません。
また、順調にサイト運営を行っても、最初の収益が発生するまでに数ヵ月の期間を要する場合が多い点に留意してください。
Webデザイナー・プログラマー
Webデザイナーやプログラマーも女性におすすめの職種です。
依頼されたWebデザインやプログラムをクライアントに納品して報酬を得るビジネスモデルとなっています。
自身が有する専門的な知識・スキルを活かせる点が大きな魅力です。
専門的なスキルを要するため参入障壁は高いですが、報酬額も高額な傾向にあります。
知識がない状態で独立を目指す場合は、従業員としての実務経験やスクールなどでスキルを習得したうえで起業を目指すことがおすすめです。
ネットショップ運営
ネットショップ運営とは、インターネットを通じて商品を販売する業種です。
販売する商品は仕入を行う場合が多いですが、ハンドメイドの商品を製作・販売する選択肢も有力です。
ネットショップの運営は、店舗が必要な小売業と比較して固定費を抑えられ全国の消費者をターゲットにできる点が魅力です。
少ない売上高でも利益が出やすいため、ニッチな商品でも勝負ができ、失敗時の経済的リスクも少ないです。
ただし、開業にはショップの出店方法や仕入方法といった最低限の知識は必要です。
また、参入者が多く店舗の立地や内装での差別化ができないため、入念に戦略を立てて事業を立ち上げることが重要となります。
ネットショップ運営の概要や開業方法、必要な手続きなどは以下の記事で詳細に解説しています。
ネットショップ運営に興味のある方はぜひご覧ください。
スクール運営
スクール運営とは、生徒に対してスキルや知識を教えて対価として月額料金や受講料、年会費などを受け取るビジネスモデルです。
スクールの種類は多岐に渡り、得意分野や過去の経験を活かしやすい点が大きな魅力です。
女性特有の経験や得意分野を活かせれば差別化ができ、より成功に近付くでしょう。
【スクール運営の例】
英会話教室
学習塾
化粧教室
料理教室
手芸教室
芸術 など
特に現在は、ZoomやSkypeなどを用いてオンライン上で指導を行う形態も増えています。
オンライン上で指導ができれば、店舗にかかる固定費がかからないため利益率の向上に繋がります。
ただし、目の前での実演が重要となる分野では実際の教室が必要となるため、より綿密な事業計画の作成が必要となる点に留意してください。
サロン運営
サロン運営は女性の趣味や経験を活かしやすいサービスの1つです。
小規模な事業であれば自宅で開業ができる可能性がある点も魅力の1つといえます。
【サロン系の職種例】
ネイルサロン
眉毛サロン
まつ毛エクステ
エステサロン など
基本的には特段の資格を有さずとも起業が可能です。
しかし資格を所持していることで集客や信頼度の向上に繋がる可能性もあるため、積極的に検討しましょう。
オンライン秘書
オンライン秘書とは、経営者や事業主の事務作業や雑務をオンライン上で代行するビジネスモデルです。
時給や月給などの固定報酬制であるケースも多いです。
オンライン秘書は自宅にいながら作業ができるため、家事や育児を行う女性にもピッタリといえます。
ただしパソコンを扱うスキルや知識は必須なケースが多いため、事前に業務内容を確認して必要なスキルや知識を習得しましょう。
また、経営者や事業主が顧客となるため、一定のビジネスマナーやコミュニケーションスキルも重要となります。
仕事の獲得は自身で営業しても問題ありませんが、クラウドソーシングサービスやオンライン秘書サービスを活用すればより効率的になります。
インフルエンサー
インフルエンサーとは、世間に大きな影響を与えられる人の総称です。
高い影響力を活かして動画の広告収入や商品・サービスのプロモーションでの報酬などで収入を得るケースが多いです。
インフルエンサーの魅力は、自身が興味ある分野で収入を得られる点です。
収入も個人の実力で制限なく上げることができます。
ただし、インフルエンサーになることは簡単ではありません。
日々の情報発信などを継続して行い、少しずつ影響力を大きくしていく必要があります。
知名度や影響力が増えればそれだけ収入も上がる職種となっています。
女性の起業で成功するためのポイント
女性の起業には様々な強みがありますが、全員が成功できるわけではありません。
成功確率を上げるためにも、強みや特徴を十分に理解したうえで事業運営に反映させることが大切です。
ここでは、女性の起業で成功するためのポイントを解説します。
女性ならではの視点を活かす
起業で成功するためには、差別化の要因を作ることが大切です。
そのため、女性にしかない経験や男性とは異なる考え方などに着目したビジネスアイデアを見つけましょう。
また起業後も、女性特有のアプローチ方法や女性の顧客に共感されるための取組みがあれば大きな差別化に繋がり、顧客の獲得に繋がるでしょう。
事業における差別化戦略については以下の記事で詳細に解説しています。
差別化に対する理解を深めて、事業計画や運営方針に反映させてはいかがでしょうか。
女性向けの起業支援を活用する
多様な起業支援や経営支援を受けられる点も、女性の起業の強みです。
詳しくは後述しますが、公的な支援に限定しても以下のような支援制度が実施されています。
【女性向け起業支援の例】
女性・若者・シニア創業サポート事業
若手・女性リーダー応援プログラム助成事業
新規開業資金(女性、若者/シニア起業家支援関連)
女性・若者・シニア創業サポート事業
女性起業家等支援(わたしの起業応援団) など
これらの起業支援を活用できれば、資金調達面や資金繰り面などで大きなアドバンテージとなるでしょう。
女性向けのセミナー・スクールを活用する
起業を行う際はセミナーやスクールの活用もおすすめです。
その中でも、女性の起業を対象としたセミナー・スクールも実施されているため、自分に合ったものを選択しましょう。
【女性向けのセミナー・スクールの例】
TOKYO創業ステーション
なでしこスクール
Smart Be
Wis-women女性起業塾
女性起業UPルーム など
これからビジネスを始める方の知識の習得に役立つのはもちろん、起業後の相談やフォロー、人脈形成などにも役立ちます。
女性を対象としたスクールであれば、起業の目的や事業プランに合わせた指導を受けられるため、起業準備の一環として活用を検討しましょう。
目的に合わせた起業形態・事業プランを選択する
女性起業の起業形態や事業プランは多岐に渡るため、自身の目的に合わせた選択を行いましょう。
例えば「家事と事業を両立したい」などと考える場合は、プチ起業やパートタイム起業を選択して、資金がかからないビジネスプランで事業を立ち上げることがおすすめです。
一方で、大きな利益を達成したい場合は、独立して一定の初期資金を要する事業プランが有力となります。
そのためにも、まずは「何のために起業をしたいか」を明確にしましょう。
小さいリスクで立ち上げられ、家事との両立も目指せるプチ起業については以下の記事で詳細に解説しているため、興味のある方はぜひご覧ください。
スモールビジネスで起業する
女性の起業はスモールビジネスで始めることがおすすめです。
スモールビジネスとはその名の通り、小規模な事業を指します。
スモールビジネスであれば初期費用が少なく、リスクを最小に抑えられます。
また、固定費を要さない分、短い稼働時間でも十分に利益を出すことができる点も魅力です。
加えて、事業が軌道に乗ったら徐々に事業規模を大きくできるため、将来的に事業を大きくしたい方にもおすすめです。
スモールビジネスの詳細やメリット・デメリットについては、以下の記事で解説しています。
スモールビジネスの知識を深めたい方はぜひご覧ください。
女性の起業で活用できる公的制度(助成金・融資制度等)
現在は女性の起業を応援するための様々な取組みが実施されています。
ここでは、女性の起業で活用できる助成金や融資制度などを紹介します。
女性・若者・シニア創業サポート事業
「女性・若者・シニア創業サポート事業」は東京都内で起業予定の女性等を対象とした支援事業です。
最大1,500万円の融資や事業計画アドバイス、個別相談、経営アドバイスといった様々な事業支援を受けられます。
若手・女性リーダー応援プログラム助成事業
「若手・女性リーダー応援プログラム助成事業」は東京都の商店街で女性等が事業を立ち上げる際に活用できる助成事業です。
求められる人物像として、独創的な事業プランや商店街を牽引できるリーダーとしての資質などが挙げられています。
審査に通過すると事業所設備費や店舗賃借料などの費用について、最大730万円の助成を受けられます。
新規開業資金(女性、若者/シニア起業家支援関連)
「新規開業資金(女性、若者/シニア起業家支援関連)」は女性等が活用できる日本政策金融公庫の融資制度です。
融資限度額は7,200万円、返済期間は20年(設備資金の場合)となっており、特別利率での資金提供を受けられます。
女性起業家等支援(わたしの起業応援団)
「女性起業家等支援(わたしの起業応援団)」は女性の起業を応援する全国の応援者の情報交換・連携ネットワークで、経済産業省により運営されています。
セミナー・イベント情報や応援者の情報を得られ、情報収集や人脈形成に役立ちます。
都道府県や市町村で活用できる制度も確認しよう
女性起業を支援する取組みは、各都道府県や市町村でも実施されています。
【地方自治体の女性起業の支援の例】
かながわの女性応援サイト(起業)(神奈川県)
女性起業家応援プロジェクト(大阪府)
福岡県女性の活躍推進ポータルサイト(福岡県)
あいち女性の活躍促進応援サイト
各自治体によって内容は異なりますが、融資制度や助成金制度、情報提供、セミナーといった取組みが行われているため、積極的に活用しましょう。
女性の起業で活用できるセミナー・スクール
起業で必要な知識の習得や情報収集、人脈形成、起業後の相談などではセミナーやスクールの活用がおすすめです。
ここでは、女性の起業で活用できるセミナーやスクールを紹介します。
TOKYO創業ステーション
「TOKYO創業ステーション」とは、東京都内で起業を目指す方を支援する施設で、無料相談やセミナー、ラウンジの提供、一時保育などが提供されています。
起業セミナーでは、女性の起業に特化した「女性起業ゼミ」や「女性プチ起業スクエア」が実施されており、知識の習得や人脈形成などに大いに役立ちます。
起業で必要な知識や手続きについて総合的なサポートを受けられるため、東京都内での起業を目指す方は活用を検討しましょう。
なでしこスクール
「なでしこスクール」は起業のノウハウを一通り習得できるだけでなく、女性起業家との繋がりも得られる起業塾です。
無料で受けられる9日間のメール講座や起業講座、通信講座といった様々な形態で学習ができ、個別相談の形態のコンサルティングも受けられます。
ワンストップサービスが実施されており、創業支援機関や各種専門家などと繋いでもらえる点も魅力です。
参考:なでしこスクール
Smart Be
「Smart Be」は女性の起業に必要なスキルやノウハウを学べる講座・セミナーを受けられる起業塾です。
起業検討中の方や起業初期の方が主な対象になっており、数多くのメディアに取り上げられた実績があります。
FaceBookを用いて毎月10名を集客できるスキルを学べる「賢女の集客アカデミー」や広告運用セミナー、キャッチコピー集客法といったマーケティングに関するセミナーなどが実施されています。
参考:Smart Be
Wis-women女性起業塾
「Wis-women女性起業塾」は起業・副業・創業の相談や実践的な学習サポートなどを受けられるスクールです。
起業に必要な知識を体系的に継続して学べる「スタンダードコース」やWebマーケティングや集客の知識なども学べる「アドバンスコース」、SNSの知識や実践的なチラシ作成、プレゼン資料の作成などまで学べる「プレミアムコース」といったコースが提供されています。
また、レンタルオフィスの1年間の無料提供や、経営について定期的な診断を受けられる「経営会議」といったサポート体制も魅力です。
女性起業UPルーム
「女性起業UPルーム」は横浜市男女共同参画推進協会が運営している起業支援施設です。
起業相談やホームぺージ・ブログ相談、女性起業セミナー、女性起業家たまご塾などを受けることができます。
公的なサービスにも関わらず横浜市外の方も活用できるため、近隣の市町村などで事業を立ち上げる方にもおすすめです。
参考:女性起業UPルーム
女性起業家の成功例
女性ならではの視点を持って成功した女性起業家は数多く存在します。
ここでは、女性起業家の成功例をご紹介します。
株式会社キッズライン(経沢香保子 女史)
株式会社キッズラインはベビーシッターや家事代行サービスを提供している企業です。
創業者の経沢香保子女史は「育児によって発生する母親の負担」という女性特有の目線で課題をピックアップし、キッズラインをスタートさせました。
このように「女性特有の悩みを改善させるサービス」に着目したアイデア選びは、男性経営者との差別化ができる要因であるといえるでしょう。
参考:株式会社キッズライン
株式会社Mentor For(池原真佐子 女史)
池原真佐子女史が創業した株式会社Mentor Forは、女性社員のキャリア形成や、リーダーシップの向上を目的として社外メンターマッチングやメンター制度の導入、運用支援などを行っている企業です。
女性がキャリアアップを目指す際に、ロールモデルやメンターが身近にいない点を課題として創業が行われました。
「女性社員の育成」に着目した際に、女性目線のサービスを提供できる点が強みといえるでしょう。
有限会社サーティースリー(丸田好美 女史)
有限会社サーティースリーはリフレクソロジーサロンや、セラピスト養成スクールの運営をしている企業です。
女性が開業しやすいサロン系の職種で成功した例といえます。
また、むくみや疲労回復、小顔効果など、女性が求めているサービスを女性目線で提供できる点が大きな強みといえるでしょう。
参考:有限会社サーティースリー
株式会社ブラウンシュガーファースト(荻野みどり 女史)
株式会社ブラウンシュガーファーストは「わが子に食べさせたいかどうか」を基準に厳選した有機食材を企画・開発・販売している企業です。
創業者の荻野みどり女史は、子どもが成長した際に安心して食べさせたいと思えるおやつが中々手に入らないことに気付き、お菓子ブランド「ブラウンシュガーファースト」を創業しました。
その後は、美容や健康に良いといわれているココナッツオイルを10年20年と日本の食卓に根付かせることを使命として事業運営を行い、年商7億円も達成しています。
「子どもに食べさせるおやつ」という女性ならではの観点がきっかけでビジネスに参入・成功した例といえます。
女性の起業にはバーチャルオフィスの利用がおすすめ
女性の起業におすすめのスモールビジネスは、自宅で開業できるケースも多いです。
自宅で開業すれば、事業所は不要で固定費の削減に繋がります。
しかし、自宅での起業には以下のようなデメリットがある点も事実です。
・住所の公開や郵便物の配送によるプライバシーの問題
・アパートが事業所となることによる取引先からの信頼度の低下
これらを改善して事業を進めたい方には「バーチャルオフィス」の活用がおすすめです。
バーチャルオフィスとは、事業用の住所をレンタルできるサービスです。
実際の執務スペースの提供はありませんが、事業所の住所をバーチャルオフィスの住所にできるため、プライバシーの問題も信頼感の低下も起こり得ません。
さらに、バーチャルオフィスの業者によっては事業サポートを行っているケースもあります。
月々数千円の費用で事業を有利に進められるため、ぜひ検討してください。
バーチャルオフィスの詳細や詳しいメリット・デメリットなどは以下の記事で詳細に解説しています。
バーチャルオフィスに興味のある方はぜひご覧ください。
まとめ
今回は、女性の起業におすすめの業種や成功例、成功のポイントなどを解説しました。
女性の起業家は決して多いとはいえませんが、現在はIT技術の発達や働き方改革の推進によって、パートタイム起業やプチ起業をしやすくなっています。
しかし、全員が必ず起業に成功できるわけではないため、向いている職種や成功のポイントを押さえた事業計画を立てましょう。
実際に女性ならではの視点で起業に成功している方は数多く存在するため、ぜひ参考にしてください。