Webサイト上における資本金開示の功罪

2014年10月07日
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資本金とは、会社財産を確保するための一定の数額です。イメージしやすいように、ざっくり言うと、会社設立や増資にあたって、株主が払込んだ金額です。

そもそも資本金は、会社の財産的基礎を示すものであるために、外部に対して会社の信用力や財務的体力を表現する1つの指標になります。

極端な例ですが、資本金100億円の会社と資本金1円の会社があったとします。

前者は財務的基盤が安定しているうえに、もしトラブルが生じ損害賠償義務が発生したとしても支払能力があると言えます。また資本金が100億円のために信用力も高いと言っていいでしょう。

しかし、後者は財産的基盤が皆無に等しく、トラブルが生じ損害賠償義務が発生したとしても支払能力は一切ないうえに、資本金が極小なため信用力はありません。

 

さて、ここで話題を変えます。

ネット上には無数の会社のwebサイトが存在しますが、そのサイトの『会社概要』を拝見すると、資本金を掲載している会社を数多く見かけます。

多額の資本金を掲載しているのであれば、対外的に財務的体力の安定を開示できるうえに、信用力もアピールできるので、新規取引を検討する会社に対して「安心感」を与えることができます。

これに対して、webサイト上の会社概要に『少額』の資本金しか掲載されていないと、自ら財務的体力の脆弱さを曝け出してしまい、新規取引を検討する会社に対して「不安感」を与えることになってしまいます。

資本金が少額でしかないならば、むしろ会社概要に掲載しないほうが、自らの財務的体力の脆弱さを開示せずに済み、対外的に『会社概要』を巧く魅せることができるのではないでしょうか。

自社のwebサイト上に少額な資本金を掲載すれば、自分で自分の首を絞めることになりかねません。
※ 実際の起業時は、手元資金が少ないことが多いため資本金が少額にならざるをえないという現実がありますが、会社設立後、資金がなくても増資を可能にする方法はあります。資金がなければ増資はできないと思いがちですが、資金がなくても増資は可能です(この方法については、また別の機会に説明します)。

それでは資本金が「いくら」以上なら自社webサイトに掲載しても良いのか、という問題が生じます。

この点に関して明確な根拠はなく、唯一の正解もありません。

ただ個人的な意見ですが、「300万円」という金額が1つの目安になると思います。
なぜなら「300万円」という金額は、旧有限会社法で最低資本金とされていたからです。
したがって、あくまで個人的な意見ですが、自社webサイトに掲載しても構わない資本金は「300万円以上」ではないかと考えます。

少額な資本金を自社webサイトで開示すれば、取引上、むしろ弊害になるだけではないでしょうか。

なお資本金は、その金額にかかわらず登記簿には記載する必要があります。

 

Knowledge Store株式会社 公認会計士 司法書士 高橋善也

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