バーチャルオフィスで銀行の法人口座が開設できない?銀行の法人口座開設対策

2016年11月25日

バーチャルオフィスを経営していると必ず聞かれる質問は「バーチャルオフィスは法人口座・銀行口座の開設が難しいと言われますが本当でしょうか?」というものです。バーチャルオフィスを契約したはいいものの、肝心な決済をするための口座が開けないとなれば、ビジネスに大きな支障をきたしてしまいます。ビジネスのスタートの段階で非常に重要な問題ですので、この質問についてどうお答えさせていただいているかを書いてみたいと思います。(なおここに書くことは私見でありますので、判断や行動につきましては自己責任でお願いいたします。)

 

まず大前提なのですが、今回のトピックの対象となる法人は、サラリーマンなどから独立して立ち上げ、まだ実績があまりない法人です。個人事業主としての活動を経て、法人成りしてできた法人が、今まで利用してきた銀行の支店で法人口座を開設するケースは多くの場合、メガバンクなどでも法人銀行口座は開設できるのではないかと思います。まずこの部分を一緒にして考えてしまい、単純にバーチャルオフィスを利用しているから法人口座は開設が難しい・銀行口座の開設はできないと考えが広がっている部分が多くあると思われます。

 

そこはしっかりと切り分けて考えるべきです。その上で見てみるとバーチャルオフィスを利用すると法人口座が開けないという問題は、大きく分けて2つの要素があるように思います。それは
・銀行の問題
・バーチャルオフィスの問題
です。

銀行の問題

銀行はバーチャルオフィスを利用した法人口座開設については慎重になっているということは事実だと思います。これは警察庁が金融機関に対して、法人口座開設の際の審査を厳格化するように求めたこと、犯罪による収益の移転防止に関する法律(犯罪収益移転防止法)が大きな影響を与えています。つまりこの法律の制定によって銀行は緩い審査で法人口座を開設することができなくなりました。

そしてタイプによってハードルの高さが異なってきます。それぞれの特徴を理解しておく必要があります。

 

・信用金庫など
信用金庫などは断られる可能性が高いように思います。東京の一部だけですが私も信用金庫の方とお話をしましたが、バーチャルオフィスの口座開設については、あまりよい返事を返していただいたことがありません。また、残念ながらバーチャルオフィス自体を知らないというような上層部の方もいらっしゃいました。リスクをとってビジネスをするという姿勢にかけている面があるといわざるをえません。振込手数料なども高く、そもそも無理に法人口座を起業時に作る必要はないのではないかと思います。(とても辛口な意見ですいません。もちろん積極的に起業支援に取り組んでいる金融機関さんもあります。)

 

・ネット銀行
ネット銀行はオンラインバンキングの機能が充実していますし、振込手数料も格安ですので、起業時の資金が潤沢にない時期にはとても便利です。ひとつは法人口座を開いておくべきだと思います。法人口座については、それほど難しくなく開設ができるのではないかなと思います。ネット銀行で口座開設をする際のポイントはホームページを持っていることです。楽天銀行やジャパンネット銀行は、法人口座開設の際にホームページを持っているかいないかでプロセスが変わってくるようです。そのホームページは具体的な業務内容が確認できることが重要です。ホームページは銀行口座開設のためのみでなく、中小企業の営業活動には欠かせないものですので、法人口座の開設に合わせてしっかりしたものを作られることをおすすめします。

 

・メガバンク
メガバンクでの法人口座は確かにハードルが高いです。新たに設立し、取引実績がない法人の場合はかなりハードルが高くなると思います。メガバンクでの法人口座開設のために労力を費やすのは起業したての段階では、プラス面があまりないように思います。それよりも早く売上を上げ、様々な起業との取引実績を作れば、メガバンクでの口座開設も問題なくできるようになりますので、急ぐ必要はないと思います。どうしても開設したいという場合は、銀行によって状況が異なると思いますが、人的ネットワーク(支店長と知り合いだとか、つながりのある税理士や会計士経由で依頼をするなど)を活用して直接銀行の方と交渉するという方法もあるかと思いますが、どこまで有効かはわかりません。

 

・地方銀行
メガバンク以外の銀行は比較的口座開設は容易と言われています。最初から店舗型の銀行で法人口座を開設する場合は、地方銀行などをおすすめします。

 

 

まとめると、メガバンクや信用金庫で口座開設をしようとするとかなりの難しいというのは実情です。起業初期の段階で口座を開設するのであれば選択肢としてネット銀行と地方銀行がよいということになります。

 

【参考 主要銀行の法人口座開設についての情報】

東京三菱UFJ銀行 WEB
三井住友銀行 WEB
みずほ銀行 WEB
 りそな銀行 WEB
新生銀行 WEB
 ジャパンネット銀行 WEB
 楽天銀行 WEB
 住信SBIネット銀行 WEB
 東京スター銀行 WEB
 城南信用金庫  WEB

バーチャルオフィスだからダメという問題ではない

バーチャルオフィスだから法人口座が作れないことが多いということで言えば、これはバーチャルオフィス全般の話ではなく「多くの法人が銀行口座の開設を断られているバーチャルオフィスがある」という話ではないかと私は考えています。事実、当社では法人口座の開設ができている法人が圧倒的に多いです。(もちろん、絶対にメガバンクの法人口座を最初から作れるという意味ではありません。)

 

私の推測ですが、住所が汚れてしまっているバーチャルオフィスを利用している方が法人口座が開設できなくなっているのであると考えます。住所が汚れているというのは過去に刑事事件等に絡んだような法人が登記されているということで、おそらくそういった情報が金融機関にあり、それが原因で口座開設が難しくなっていることが考えられます。もちろん、実績が証明できてこの法人なら大丈夫という客観的な判断ができれば大丈夫だと思いますが、多くの企業は立ち上げたばかりでなかなかそういう証明もできません。

 

過去に刑事事件等に絡んだような法人の登記についてですが、これは意外に厄介なもので、移動させたり抹消することは、第三者にはできません。つまり刑事事件を起こした法人が自ら行わなければならないのです。そういう法人は代表や株主などと連絡がつかないことなどが多く、実質登記を外すことは困難です。つまりおかしなことをした法人の登記は、そのバーチャルオフィスの住所にほぼ永久的に残り続けることになるわけです。(登記簿は法務局で検索して取得することができますので、誰でも調査をすることが可能です。)

 

よってバーチャルオフィスを悪用しようとする人を遠ざける努力は相当必要になりますので、そこを手抜きをしていないバーチャルオフィスを選ぶ必要があります。つまり審査体制がしっかりしていることがとても重要なのです。書類をオンラインや郵送で提出するだけで入会できてしまうのではなく、特に対面による審査は必須と私は考えます。利用者と運営者が一度も顔を合わせずに、その住所を使って登記ができるというのは私の考えでは論外です。スカイプ等を利用して面談することは可能だと思いますが、直接対面して得られる情報も大切だと思うくらい真剣に審査に取り組んでいる姿勢が重要だと思います。

 

これはサービスを受ける側からすればとても面倒なことです。わざわざ出向いて審査を受けて不合格になるより、申し込めば必ず利用できるバーチャルオフィスの方が確実で楽です。しかし、それはバーチャルオフィスを悪用したい人にとっても同じこと。審査で自分たちの意図を見抜かれて不合格になるより、確実に利用できるところに申し込みたくなるのは当たり前のことです。ですから、自分が申し込むにあたってちょっと煩わしいなと感じるのであれば、悪用したい人も同じく煩わしいと感じるはずです。これは普通に利用する人より何倍もそう感じるはずです。

バーチャルオフィス利用者の法人口座開設対策

では法人口座を作る際に必要なものはどんな書類でしょうか?銀行のHPから得られる情報をまとめてみました。

 

必要書類

まずは最低限必要なものは下記のものが求められます。
1.履歴事項全部証明書
2.来店した方の身分証明書(免許証、パスポート等)
3.ご来店者と法人の関係を証する書類(委任状等)

 

銀行によってその他に下記のようなものを求められます。
4.法人の印鑑証明書
5.法人番号(マイナンバー)が確認できる書類(法人番号通知書等)
6.(主要)株主名簿または(主要)出資者名簿

さらに新設法人の場合は下記の書類を求められることがあります。
7.所轄税務署あての法人設立届出書(控)
8.所轄税務署あての青色申告承認申請書(控)
9.主たる事務所の建物登記簿謄本(現在事項証明書)(原本)
10.または主たる事務所の賃貸借契約書(原本)
11.定款の写し

 

その他に、下記の書類を求められる場合もあります。

12.会社案内、製品、パンフレット、お取引先さま向けご提案書(資料)、見積書、注文書、仕様書等
13.事業の実施自体に各行政機関等の許認可・届出・登録等が必要な業種の場合は完了済であることを確認できる資料

 

また、
14.ホームページ
をしっかりと作成しておくことも先に述べた通り大切です。これもすでに述べた通りですが、自社のHPは名刺以上に大切ですのできちんと作成しておくことが重要です。

15. 実質的支配者についての説明書類
もし代表取締役の方が筆頭株主でない場合は実質的支配者についての説明を行っておくことも大切です。「議決権の25%超を直接または間接に保有するなど支配的な影響力を有すると認められる個人」について説明ができる資料を用意しておくとよいでしょう。代表取締役は株主の意向で変更可能になりますので、その決定権を有する方が安心できる方なのかということを説明できることも大切です。

 

こういった書類等ですが、「求められることがある」ものもありますが、求められずとも最初から用意して提出するのがよいのではないかと思います。銀行側は「この法人は怪しくない」と確信が持ちたいという心理ですので、少しでも安心してもらえるように対策を講ずるべきです。

 

それを考えると追加資料として

・履歴書・業務経歴書
・過去にメディアに取り上げられた記事など
・今回のビジネスに関連した資格の証明書など

といったものを用意すればさらに信頼感は増すと言えるのではないでしょうか。

 

銀行の窓口で気をつけること

必要書類及び補足資料をもって銀行に行く際は以下のことに気をつけましょう。面談を求められた場合は特に気をつけてください。

 

・アポイントの時間に遅れない。(意外に多い。という以前に社会人としての常識です。)
・ちゃんとした服装をする。
また
・しっかりと事業内容を説明できる資料を用意しておく。

 

これも望ましいと思います。ホームページと同様、ビジネスを行っていく上で自社の事業内容を端的に説明できることは大切で、ほんの数分で相手が内容を理解してもらえるような説明ができたがために、大きな案件を獲得できるということも起こりえますので、この際簡単でよいので会社概要のような資料は作成しておいた方がよいでしょう。

バーチャルオフィスでも法人口座開設は十分可能

結論としてはバーチャルオフィスでも法人口座の開設は十分可能です。それを可能にするためには金融機関とバーチャルオフィスを正しく選択することです。特にバーチャルオフィスの選択は重要です。金融機関の選択に失敗しても他の金融機関に口座開設を依頼するだけで済みますが、バーチャルオフィスの選択を誤ると出費が伴います。法人口座を開設するための登記先としてまずいと判断した場合には登記を移転させなくてはいけませんが、それには登記費用が掛かります。またその住所が表記されている印刷物などを作ってしまっている場合には印刷をやり直す必要があります。その他届出等も変更をする必要に迫られるかもしれません。

 

それを間違いなければ、法人口座の開設は可能ですので、安心してバーチャルオフィスを利用していただければと思います。

 

法人口座開設の実績豊富なバーチャルオフィス ナレッジソサエティ