東京のバーチャルオフィスで法人登記する手順


[投稿日]2017年07月13日 / [最終更新日]2018/07/01

最近は当社のバーチャルオフィスシェアオフィスサービスを利用して法人登記をする方が多くなってまいりました。どういう手順で法人を登記したらよいかという質問を受けることがよくありますのでその方法を解説したいと思います。単に法人登記のための手続き論を述べるだけでなく、バーチャルオフィスを利用しての法人登記の場合にはどんなことを気をつけなくてはいけないかのポイントも交えて解説したいと思います。

なお、こちらに記載されていることはあくまでもナレッジソサエティのバーチャルオフィス・シェアオフィスを利用して法人を登記した場合ですので、他のバーチャルオフィス様のプロセスとは異なる可能性がある点にご注意ください。

また、関係省庁の情報につきましては当社のオフィスがある東京のものになります。

1.バーチャルオフィスの契約する

まずはバーチャルオフィスの契約をしていただきます。バーチャルオフィスは住所をお貸出しするサービスですので、住所を利用する前にはサービスの利用契約を結んでいただく必要があります。

よく勘違いされる例で、法人で利用するので、法人が先に設立されていないといけないと思ってしまい、当社の許可なく法人登記を行ってしまうケースがあります。人が引っ越しをしたりして住民票を登録する場合を考えてください。住民票を置くためには賃貸借契約を結んだりして、その物件に住む権利を得ることを先に行うと思います。法人の場合も同じです。住所を利用する場合は先に当社と契約を行っていただくようお願いをしています。新規で法人を設立される場合は、当社の場合、最初に個人で契約をしていただいた後に法人を設立していただき、その後その法人の契約に切り替えていただくというプロセスを踏んでいただきます。

もし先に登記を行ってしまった場合、当社に関わらず運営サイドが望む形で登記をしていない可能性があり、登記先の住所に送られてくる郵送物が届かなかったり、最悪のケースでは登記の変更をしていただく可能性がありますので十分気をつけてください。

バーチャルオフィスを契約する際に気をつけること

同じ名称がないか先に確認をしておくこと
バーチャルオフィスのスペックなどの比較を終えてここで契約するとなった際に、最後に絶対に確認しておくべきことがあります。それは「同名または類似する社名・屋号で利用している人がいないか?」ということです。

これはバーチャルオフィス運営者がどれくらいしっかり運営しているかにかかってくるのですが、先に「ABCコンサルティング」という個人事業の方と「ABCコンサルティング株式会社」という法人が利用している場合、後から利用し始めた「株式会社ABCコンサルティング」は法律的には、そこの住所で登記ができてしまいます。そうなると厳密には異なりますが、「ABCコンサルティング」という事業体が3社、その住所に存在してしまうことになります。

この場合、利用している方に郵便物を正確にお渡しできるかということが問題になってきます。差出人が宛名を必ず正しく記載してくるとは限りませんし、当社においても郵便物にかかる作業は人間が行いますのでミスをしてしまう可能性が高まるような状況を放置しておくわけにはいきません。

契約時にバーチャルオフィスの運営者側が伝えてくれればよいですが、それもなく契約し、登記をしてしまってからですと移転登記などに無駄なコストがかかってしまうので注意が必要です。(当社は、紛らわしいものも含めて社名が被る方については、先に契約されている方に迷惑をかけないためにも残念ながら契約をお断りしております。)

借りる住所について調べる
実際に借りることになる住所は何かをしっかりと確認してください。その住所を検索してマイナスになるような情報がネット上に出ていないかはとても重要です。もしマイナスな情報が出ている場合、同じ住所を使うあなたの法人も同じくマイナスのイメージを持たれかねません。そういう情報が出るバーチャルオフィスで契約をすることは見送ったほうが良いでしょう。法人口座の開設にもマイナス要素として働きます。

必ず見学に行く
バーチャルオフィスの中には一度もそのオフィスを訪れることなく契約ができるところもありますが、必ず見学に行った方がよいでしょう。少なくとも本社を置く場所に一度も訪れたことがないというのはすべての責任を負うことになる企業経営者の行動としては望ましくありません。企業としての活動が始まってしまえば、バーチャルオフィスにはなかなか行くことはありませんが、それでも自分の登記簿上の住所、名刺に書いてる住所がどんなところなのかは自分の目で確認するべきです。住所をたどってくる人がどんな気持ちになるのか?業者の対応はよいかなど、実際に行ってみて感じることはとても重要です。また見学をしなくてもオンラインや郵送のみで申込ができてしまうバーチャルオフィスもありますが、

どのバーチャルオフィスを選ぶかについては下記の記事にまとめておりますので参考にしてください。

東京のバーチャルオフィスを比較する際の17個のポイント

2.定款を作成する

バーチャルオフィスとの契約が完了し使用する住所が決まったら、法人の設立作業に入ります。まずやらなくてはいけないことは定款の作成です。

定款作成のためには、下記の項目について記載をする必要があります。

 1.商号(法人名)
 2.目的 
 3.本店の所在地
 4.公告
 5.発行可能株式総数
 6.株式の譲渡制限
 7.取締役の員数
 8.取締役の任期
 9.事業年度
 10.設立に際して出資される財産の価額
 11.設立後の資本金の額
 12.最初の事業年度
 13.設立時の役員
 14.発起人の氏名、住所等

定款の記載内容を決めるときに気をつけること

項目を記載する際には、それぞれ注意を要するポイントもありますので、しっかりと調べていただいたり、専門家の方に相談していただく必要があります。ここでは当社でよく見かける注意点をお伝えします。

商号(法人名)
商号については同じ住所に同じ商号を用いることができません。それは法律で決まっていることですが、プラスして上記で説明したように、そのバーチャルオフィスの運営上の理由で社名が使えないということもありますので、バーチャルオフィス運営会社に確認をした方がよいでしょう。

目的 
許認可が必要な業種の場合は、正しく事業目的を記載する必要があります。またその時点で行わなくても、将来的に行う可能性がある事業がある場合は、それも合わせて記載したほうがよいでしょう。開業当初考えていたビジネスモデルも実際に、活動していく中で変化していくことはよくあります。よって変化があった場合にも耐えられるように、あらかじめ事業目的を幅広く設定しておいた方がよいでしょう。

本店の所在地
本店所在地の記載は「本店の所在する独立の最小行政区画」まででよいため、当社のバーチャルオフィスを使って登記をする場合「当会社は、本店を東京都千代田区に置く」としておけばよいでしょう。この場合、当社を解約して住所を変更する場合に同じ千代田区内であれば定款の変更はしなくて済みます。「東京都千代田九段南1丁目5番6号 りそな九段ビル5階に置く」と記載していただいても結構ですが、当社から移転をされる際に、移転登記だけでなく定款の変更も必要になってしまいます。

事業年度
決算を何月にするかを決めます。決算をいつにするかについては様々な観点から決められますが、一番お得になるのは消費税の免税期間を一番長くとれるように1期目をできるだけ長く設定することです。売上にかかる消費税を税務署に収める必要がないというメリットは、起業したばかりの法人にとってはとても大きなメリットがあります。

3.公証役場で定款を認証してもらう

どの公証役場に提出するべきか
定款認証を提出すべき公証役場は「会社の住所(本店所在地)と同一の都道府県にある公証役場」です。つまり当社で法人を設立する場合は、東京都内であればどこでもよいことになります。定款認証をしてもらうためにわざわざ千代田区の公証役場に行く必要はなくご自宅の近くの公証役場でよいということになります。(登記については管轄の法務局に行く必要がありますのでご注意ください)

認証方法
定款の認証方法は、①通常の認証、②電子認証、の2つがあります。その違いですが、電子認証を行うと印紙代4万円が不要となるためお得になります。ただし電信認証のためには専用の機器が必要になりますので、専門家以外の方が行うのは難しくなります。よって自分で認証を受ける場合は、通常の認証を受けていただく必要があります。この差額の4万円を電子認証を受けるための手数料として専門家が電子認証を行ってくれるというケースが多くあります。

定款を認証してくれる公証役場は都内に多くあります。当社で法人を設立したい、つまり東京都内で法人を設立したい場合は、東京の公証役場であればどの公証役場で認証を受けてもらっても大丈夫です。逆に埼玉や神奈川では認証を受けることはできません。

東京の公証役場一覧をまとめましたので所在地確認の参考にしてください。

ここまでの作業はバーチャルオフィスの契約と同時並行して行ったり、先に書類というの作成をしてからバーチャルオフィスの契約をしていただいても大丈夫です。留意していただきたいことは当社との契約の前に住所等を使わないことです。ただし定款の本店所在地を当社住所にする場合は定款の認証を受ける前に当社との契約が完了している必要がありますのでお気をつけください。

4.登記に必要な書類を準備する

法人登記をするためには下記の書類が必要となります。こちらですが、その法人の形態や、現物出資の有無などで必要なものが異なってきますので、実際に設立をする際には専門家に確認するなどしてください。

1.登記申請書
2.登録免許税分の収入印紙を貼り付けたA4用紙
3.定款
4.発起人の決定書
5.取締役の就任承諾書
6.代表取締役の就任承諾書
7.監査役の就任承諾書
8.取締役の印鑑証明書
9.資本金の払込を証明する書類
10.印鑑届出書
11.登記すべきことを保存したCD-RかFD

登記に申請書を作成する際に気をつけること

何階やオフィスの名称がある場合はできるだけ入れる
登記はビル名などを外して番地まで行うことが可能です。このためバーチャルオフィスを利用していることが知られないよう、ビル名・階数・オフィス名を外して登記する方がいます。この気持ちはとてもよくわかりますが、その前によく検討しないければいけないのが郵便物がちゃんと届くかです。ビル名を登記に入れないために郵便物が届かなかったということは当社で過去に起こりました。また階数やオフィス名がないために違うフロアに誤配送してしまったという事例もあります。特にバーチャルオフィスは多く法人が登記しているため、大量の郵便物が一度に届きますので、郵便局も仕分けをする中でミスをしてしまうことがあります。特に税務署から届く書類などは時期が集中するため、郵便局の作業ミスの可能性が高まります。そういうことを避けるために、できるだけ登記の住所は詳しく行うことをおすすめします。また登記の住所をもとの送られてくる郵便物は公的な書類が多いため、誤配送を避けることはかなり重要です。

本社を置くなら千代田区、中央区、文京区がお得かも?
本社をどこに置くかという問題については色々な面から検討する必要があり、ひとつの答えを出すことはできません。その色々な面のひとつとして考えておきたいのは、将来本社を移転させるか?ということです。本店を移転させる場合は移転登記が必要になりコストがかかります。移転登記の場合は関係する法務局につき30,000円かかります。要するに転出と転入で管轄する法務局が異なれば転出する法務局で30,000円、転入する法務局で30,000円かかることになります。港区から渋谷区に移転するとなると60,000円かかってしまいます。その一方で同じ港区内での移転なら30,000円で済むということになります。

東京法務局は千代田区、中央区、文京区とビジネスによく使われる大きな3つの区を管轄しますので他の区を管轄する法務局に較べると管轄区をまたぐ可能性が低くなります。千代田区内での本社移転のみならず、千代田区から中央区、文京区から中央区といった移転を行った場合でも登記にかかる費用は30,000円で済むということになります。

5.法務局に必要書類を提出する

どこに提出するべきか?
必要書類を提出する法務局は本社所在地を管轄する法務局ななります。よって当社で法人登記する場合は東京法務局の本局で行わなくてはなりません。(東京法務局の本局は当社ナレッジソサエティから徒歩数分の場所にあります。)自宅が近いからといって港出張所や渋谷出張所に提出することはできません。
東京の法務局一覧をまとめましたので所在地確認の参考にしてください。

法務局に書類を提出する際に気をつけること

いつが設立日になるか?
設立日は法務局に必要書類を提出した日になります。特別な日に法人設立をしたいという方もいらっしゃいますが、法務局は土日祝は休みになりますので例えば1月1日に設立したいと思っても現実的には難しくなります。それがクリアできれば設立日を創業者の誕生日など意味のある日にするのは良いことです。

6.バーチャルオフィスに登記簿謄本を提出する

バーチャルオフィスを契約した直後は個人としての契約になっておりますので、法人登記をしたら速やかに法人契約に切り替えてください。当社の場合は事前に確認をとっていただいているのである程度把握はできるのですが、どういった社名で法人登記をしたかが確認できないと郵便物の受け取りができない場合があります。特に法人登記直後は法人マイナンバーなどの通知が届きますので、これを受け取り損ねてしまうのは問題になります。どういう社名で法人登記をしたかは確実に当社にお知らせください。

7.最後に

法人設立(法人登記)は自分で行うべきか、専門家に任せるべきか?
 これだけの作業を行って初めて法人の設立が完了となります。これらの作業は自分で行ってもいいですが、基本的に一生にそれほど多くない法人の設立のために多くの時間を割くのは得策ではありません。会社の設立の方法を知っているから売上が上がるわけではありませんから。もし、そのために使える時間があるのであれば、できるだけ売上をたてることに使った方がよいかもしれません。法人の設立方法を知らなくても事業は売上が立ちさえすれば何とか回せますが、売上が立つ前に資金がショートすればその事業は継続することができません。


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