売上=手元に残るお金ではない・・・フリーライターM.H様 インタビュー

2018年10月14日
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「手取り額をリアルに把握していませんでした。」

 

そう語るのは、フリーライターのM.H様です。

 

こんにちは、東京千代田区九段下のシェアオフィス・バーチャルオフィスのナレッジソサエティの渡部です。

このインタビュー記事では、各業界で活躍している経営者に起業や経営の難しさ、失敗談や反省を伺い、お伝えします。

各業界で活躍されている経営者も多数の失敗やテストを繰り返し、ようやく成功へとたどり着くことが多いと思います。そこで今回は中々表には出ない失敗談や苦労話を聞いてみたいと思います。厳しい時期の乗り越え方や「今ならこうする。あの時もっとこうすれば良かった。」という反省点を語っていただき、皆様にご提供していきます。

シリーズ第10回目となる今回は、海外生活や旅行を得意とするフリーライターのM.H様です。

M.H様は、長年にわたり人事として活躍後、フィリピンを拠点にフリーライターとして活動されています。転職や働き方改革に関する記事を中心に執筆されています。また、海外生活についても得意とされています。

失敗から学ぶことも大事という本記事の趣旨に共感いただき、“これまでの失敗談や反省点”について語っていただきました。

 

これから起業する人や新たな挑戦を試みている方にぜひお読みいただきたい記事です。

 

今回のインタビューに答えてくださった方

フリーライターのインタビュープロフィール

名前:M.H様(男性)

年齢:50代

事業内容:フリーライター 専門分野:海外生活、旅行

 

■目次
1.経営の難しさ、失敗談、反省点 
 1-1.受注金額=手取りと勘違い。気づいたら時給200~300円・・・ 
 1-2.1円ライター=月29日働いてギリギリ暮らせるレベル
 1-3.1ヶ月50,000円で東南アジアで暮らせるか? 
 1-4.反省点は実際の”手取り金額“をイメージしていなかったこと 
2.まとめ 

 

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1.経営の難しさ、失敗談、反省点

1-1.受注金額=手取りと勘違い。気づいたら時給200~300円・・・

海外でフリーライターとして活動しています。もともとはアジアで英語の勉強をしながら働こうと留学気分で現地コールセンターに転職していました。約2年勤めて今年の春に帰国しようと思っていたところ、たまたまランサーズやクラウドワークスなど、クラウドソーシングを活用した働き方もあると知り、日本でライターの経験があったので活用しました。

今思えば本当にラッキーなのですが、はじめた当初に原稿料1件10000円(文字単価2.5円)の継続案件を2社も獲得できました。

あっさりと月6万ペースの受注ができたので、この調子なら現地採用社員の給料月11万円くらいはすぐ稼げるだろうと考え、そのまま現地でライターを始めました。

ところが当初の甘い目論見とは違い、高額案件(文字単価2.5円等)は極めて少なく、多くは文字単価0.5~1円くらいだとしばらくして気づきました。

収入も増えず結局、大体月収6~7万円で推移しています。東南アジアの物価水準は日本の約50%。月5~6万円あればぎりぎり生活はしていけますがフリーになると出費も増えるため毎月赤字です。

 

1-2.1円ライター=月29日働いてギリギリ暮らせるレベル

クラウドソーシングの世界では、文字単価1円の案件が高単価とよくうたわれています。実際、0.2円~0.5円なんて案件がざらにありますから、その中では高いほうかもしれません。しかし1円ライターが生計を立てるのはなかなか大変でした(あくまで私のライティング能力の場合)。

例1:某クラウドソーシングで文字単価1円の仕事を受けた場合の手取り額
文字数:3,000文字で3,000円
手数料:-600円(20%)
報酬金額:2,400円
源泉徴収金額:-306円
手取り額:2,286円
実際は1円ライターではなく0.76円ライター。書くのが早ければ問題ないのですが私は1案件に1日はかかるケースが多いため、日給は2300円前後になります。

例2:直接取引で文字単価1.5円の原稿を受けた場合の手取り額
クラウドソーシングではなく転職サイト経由で文字単価1.5円の仕事を企業から直接受けたこともあります。しかし、ここでも予想外の出費が出てきました。海外居住者はなんと源泉徴収税が2割になるのです。
原稿料金:1件9,000円(文字単価1.5円)
源泉徴収金額=-1,837円
源泉徴収後の金額=7,163円
Paypal手数料=-355円
手取り額:6,808円 

この仕事はやや難易度が高く3~4日もかかったため、結局こちらも時給換算すると200~300円位でした。文字単価1~1.5円の仕事がメインの場合、日給2,400円。25日働いて60,000円、29日働いて約70000円。これが現在の私の実態でいわば一人ブラック状態です・・・

 

1-3.1ヶ月50,000円で東南アジアで暮らせるか?

よく日本は貧しくなったという記事が出ていますが、東南アジアにいるとそれを実感します。街はどんどん華やかになり裕福に見える人が多く日本のバブル気を思わせます。物価も年々上がっています。

コールセンターに勤めていたころは確かに月50,000円以内で暮らせたこともありますが、フリーになると必要な出費もあり月60,000円だと本当に「ギリギリどうにか暮らせるレベル」にすぎません。

現在の固定費(1カ月)
・家賃:22,000円  ※かなり低め。普通日本人は30,000円~
・光熱費:4,000円 ※エアコンをがんがん使うと月7,000~8,000円
・ビザ代:3,000~4,500円 ※更新月による
・仕事の場所(カフェやコワーキングスペース):10,000円
・スマホ通信費:1,000円
・小計:40,000円

これに食費、日用品購入、交通費などが入ると月60,000~80,000円ほどの出費です。意外と日用品が高いです。

それにWi-Fi事情が悪く、一般の住居は時間帯や場所により不安定になります。私の家も同様です。そのため、コワーキングスペースやカフェは大体問題なく接続できるので仕事場として利用しています。

ただ、カフェのコーヒー代も200~350円と日本でドトールやスタバへ行くのとあまり変わりません。コワーキングスペースのフリー席も日本とほぼ同じ価格帯です。

最近、エアコンは基本ファンのみ。昼間は電気をつけないなど地味な努力をしています。食事はローカルレストランで100円くらいで食べることができますが日本食レストランなどは高嶺の花です。

 

1-4.反省点は実際の”手取り金額“をイメージしていなかったこと

結局のところ「当初の計画が甘かった…」につきます。手取り額をリアルに把握していませんでした。そしてもっと早く直接取引の企業を増やす営業努力をすれば良かったです。

もちろんクラウドソーシングはメリットもあります。しかし、頼りすぎてはいけないと学びました。

【クラウドソーシングのメリット】
・営業・経理業務などを代行してくれる
・支払いサイトが短い(2週間に1度)
・売掛リスクが低い

【反省点】
①クラウドソーシング案件を分類し効率的に応募する

最近はクラウドソーシング案件を4分類しています。
A.文字単価低め・難易度が高め・文字量少なめ
B.文字単価やや低め・仕事の難易度低め
C.文字単価やや高め・要求かなり高め
D.文字単価高め・要求高め

Aはもちろん受けてはいけません。生活が成り立ちません。Dは歓迎案件ですが簡単に見つかりません。大体はBとCに相当します。コツはBで文字数の多い仕事をとること。そしてCは書ける時間をしっかり見極めて受けることです。1円案件でもスラスラ書ける内容だったり文字量が多ければOKとしています。とりあえずBもCも仕事は一気に何件も受けずまず1件トライして感触をみることが大切です。

②直接取引を増やす

直接取引の企業を増やす営業努力が一番必要です。以下の方法がおすすめです。クラウドソーシングサイトの単価は限界が見えているので、Indeed等の求人サイトや企業HPから応募をするなど単価を上げることがよいと思います。

文字単価1円=月5万円の収入になる人なら、文字単価3円の仕事なら月15万円になります。自分の力量でこの文字単価なら月収●円になるとシビアに試算することが大事だと思います。

ただし、直接取引は売掛リスクが高くなります。直接取引とクラウドソーシングの比率を半々くらいにすると安全ではないかと考えます。

 

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2.まとめ

売上=手元に入ってくるお金ではないことが身に染みた貴重なご経験をお話いただきました。

クレジットカード、口座振替、振込手数料、取引手数料、事務手数料などなど世の中には手数料が発生します。他にも法人税などの税金も例外ではありませんね。

 

以上、第10弾はフリーライターのM.H様でした。

 

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