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イノベーター理論とは?マーケティングへの活かし方や目的などをわかりやすく解説

[投稿日]2021/03/16 / [最終更新日]2023/09/28

イノベーター理論とは?マーケティングへの活かし方や目的などをわかりやすく解説

ビジネスの成功のためには、商品やサービスを世間に普及させるための取組み(マーケティング)が重要となります。

また、新しい商品・サービスが人々に受け入れてもらえるかは、いかに新しいもの好きな人が興味を持ち、魅力を共有・発信するかにかかっています。

そこで重要なマーケティング理論となるのが「イノベーター理論」です。

イノベーター理論を学べば、どの顧客層にどのようなアプローチをすべきかを理解できます。

効果的にマーケティングに反映できれば、より効率良く業績の向上を目指せるため、ぜひご覧ください。

イノベーター理論とは

イノベーター理論とは、新商品・サービスがどのようにして市場に浸透していくかを、時間軸や消費者の特徴を踏まえて示したモデルです。

消費者を態度や価値観によって以下の5つのタイプに分類する点が大きな特徴です。

・イノベーター(Innovators:革新者)
・アーリーアダプター(Early Adopters:初期採用者)
・アーリーマジョリティ(Early Majority:前期追随者)
・レイトマジョリティ(Late Majority:後期追随者)
・ラガード(Laggards:遅滞者)

これらは新商品を購入する時期が早い順番となっており、革新者である「イノベーター」は最も早く新商品を採用する冒険的な層、一方で「ラガード」は最も保守的な層となっています。

各タイプの特徴や割合に合わせて、企業が取るべきマーケティング手法を決定することが重要です。

各タイプの特徴や割合などついては詳しく後述しています。

イノベーター理論が普及した背景

イノベーター理論は、アメリカのコミュニケーション学者・社会学者の「エベレット・M・ロジャース(Everett M. Rogers)」によって1962年に提唱された理論です。

ただし、初めからイノベーター理論が生まれたわけではありません。

1911年にヨーゼフ・シュンペーターによって定義された「イノベーション」の研究が進み、1954年にはピーター・ドラッカーによって、顧客の創造のために企業が行うべき基本的な活動はイノベーションであると提唱されました。

そしてエベレット・M・ロジャースが、イノベーションはどのようにして普及するのかを分析した結果、イノベーション理論が誕生した流れとなります。

イノベーション理論は、提唱後に数多くの学者に影響を与え、21世紀になってもマーケティングにおいて重要視される要素の1つとされています。

なぜイノベーター理論を取り入れるべきか

イノベーター理論を理解すれば、新商品・新サービスがどのような過程で市場に受け入れられるかを把握できます。

新しい商品やサービスが展開されて、一気に全ての消費者に浸透することは非常に稀です。

まずは「新しい商品・サービスを積極的に取り入れたい」と考える層から徐々に普及されていきます。

そのため、早い段階で商品・サービスを採用する層に対するアプローチがポイントとなりやすいです。

また、各消費者層によって購入時期や思考が異なるため、当然取るべきアプローチも変わります。

各タイプの規模や特性に合わせたアプローチができれば、無駄なく効率的なマーケティングが可能となるでしょう。

イノベーター理論で分類される消費者の5つのタイプ

イノベーター理論では、消費者を態度や価値観によって5つのタイプに分類します。

・イノベーター(Innovators:革新者)
・アーリーアダプター(Early Adopters:初期採用者)
・アーリーマジョリティ(Early Majority:前期追随者)
・レイトマジョリティ(Late Majority:後期追随者)
・ラガード(Laggards:遅滞者)

各消費者層に適切なアプローチを行うには、それぞれの特徴の適切な理解が必須です。

以下では、イノベーター理論で分類される消費者の各タイプの詳細を解説します。

イノベーター(Innovators:革新者)

イノベーター(革新者)とは、新商品・サービスが現れた最初期から積極的に採用する層を指します。

情報感度が高めで、革新性や新技術などを好む冒険的な層となっています。

「新しい」という点に価値を感じ、自身の関心にマッチする商品であれば価格が高い商品・サービスでも購入する傾向がある点が特徴です。

一方で、既存商品と比較した性能やメリットについては大きく重視しない傾向にあります。

アーリーアダプター(Early Adopters:初期採用者)

アーリーアダプター(初期採用者)とは、イノベーターに次いで早いタイミングに新商品・サービスを採用する層です。

流行に敏感で積極的に情報収集を行いますが、イノベーターとは異なり、既存の商品・サービスとの比較やメリットを判断し、ベネフィットがあると感じた場合に限り自分の判断で商品を購入します。

また、周囲に商品・サービスの感想や評価を広める性質も有しており、オピニオンリーダーやインフルエンサーになりやすい点も特徴です。

詳しくは後述しますが、アーリーアダプターはこの後の時期に商品を採用する「アーリーマジョリティ」や「レイトマジョリティ」「ラガード」に大きな影響を与えます。

アーリーアダプターに対して有効なアプローチができるか否かによって、商品・サービスが市場全体に浸透するかが決まるといっても過言ではありません。

アーリーマジョリティ(Early Majority:前期追随者)

アーリーマジョリティ(前期追随者)とは、前述した2種類のタイプと比較して商品・サービスの採用に慎重的な層です。

しかし、平均よりも新しい情報に対して敏感で、積極的な情報収集も行います。

アーリーアダプターの口コミや評判を聞いたうえで「流行に乗り遅れたくない」と感じ、平均よりも早めに購入に踏み切るケースが多いです。

アーリーアダプターの影響を強く受けるため、市場全体への橋渡しの意味合いを持つ「ブリッジピープル」とも呼ばれます。

レイトマジョリティ(Late Majority:後期追随者)

レイトマジョリティ(後期追随者)とは、新商品・サービスに対して懐疑的で、採用が消極的な消費者層を指します。

商品を採用するタイミングは平均よりも遅く、採用している方が多数派と感じてから購入に踏み切ります。

保守的な層ですが、新しいものやサービスへの拒否感を持っているわけではないため、全体の浸透率が高まれば購入率が高まる点が特徴です。

大多数に追随するように採用を決定するため「フォロワーズ」とも呼ばれます。

ラガード(Laggards:遅滞者)

ラガード(遅滞者)とは、市場の中で最も保守的な層を指し、伝統主義者とも呼ばれます。

新しい商品やサービスには興味がなく「新しいものは取り入れたくない」と考えている方も多いです。

「評判が良い」「周りが使っている」といった理由では採用せず、商品・サービスが伝統的や文化的となってからようやく購入を検討します。

イノベーター理論の各タイプの割合

イノベーター理論における各タイプの割合は以下のようになっています。

イノベーター(革新者) 2.5%
アーリーアダプター(初期採用者) 13.5%
アーリーマジョリティ(前期追随者) 34.0%
レイトマジョリティ(後期追随者) 34.0%
ラガード(遅滞者) 16.0%

この値を見ると、アーリーマジョリティとレイトマジョリティが約70%を占めると分かります。

各タイプの割合に対する明確な根拠はない

ただし、イノベーター理論における各タイプの割合については、明確な根拠を有していない点に留意してください。

「すぐに未来予測ができるようになる62の法則」によれば、これらの値はエベレット・M・ロジャースの体感値となっていると解説されています。

イノベーター理論は現在も重要視されているモデルであるため、エベレット・M・ロジャースの体感値と実際の値は大きく離れていないと予想ができますが、参考として考えましょう。

また、イノベーター理論の各タイプの割合は、職種によっても異なると予想ができます。

例えば製造業や公共部門の場合は、伝統的な作業方法や作業過程が強く、新しい技術を採用するためのリソースやスキルが足りてないと考えられています。

その結果、新技術を早急に取り入れる消費者は少なめになると想像できるでしょう。

また、医療業界も一般的に新技術の導入が遅めといわれています。

新技術が患者の安全に影響を及ぼす可能性が否めないため、導入の際は慎重になる必要があるのです。

そのため、自身がビジネスを行う業界や消費者の傾向を踏まえて戦略を練ることも重要といえるでしょう。

イノベーター理論と密接に関連する「キャズム理論」とは

ジェフリー・ムーアによって提唱されたキャズム理論によれば、初期市場であるアーリーアダプターと、メインストリーム市場であるアーリーマジョリティの間には「キャズム」と呼ばれる大きな溝が存在するといわれています。

この溝(キャズム)の乗り越えない限り、新商品・サービスはメインストリーム市場まで浸透させることはできず、規模が小さい市場の中で消えていくとされています。

キャズムが生じる原因とは

初期市場とメインストリーム市場の間にキャズムが生じる原因には、アーリーアダプターとアーリーマジョリティの性質の違いが関係しています。

アーリーアダプターは「自分に利益があり、周りが採用していない新しい商品」を望む一方で、アーリーマジョリティは「多くの人が採用している信頼性や安心性の高い商品を他者に後れを取らずに得ること」を望んでいるためです。

アーリーマジョリティでは「周りの人が採用している」という点を、商品・サービスを購入する際の判断材料としていますが、それよりも早期に商品・サービス購入するアーリーアダプターとイノベーターは計16%しか存在しません。

全体の16%という小規模な層にしか商品・サービスが採用されていない状況は、周りの人が採用していることを判断材料の1つとするアーリーマジョリティにとっては採用しない要因の1つとなってしまいます。

そのため、初期市場とメインストリーム市場の間に存在するキャズムを乗り越えられるか否かが、市場全体に商品・サービスを浸透させるために重要な要因となるのです。

「普及率16%の論理」の考え方

エベレット・M・ロジャースは、イノベーター(革新者)とアーリーアダプター(初期採用者)を合計した市場の16%を攻略することが、新商品・サービスを市場に普及させるための分岐点という考え方を提唱しました。

これを「普及率16%の論理」といいます。

キャズムを乗り越えるにはオピニオンリーダーへの対策が重要

上述した通り、市場全体に新商品・サービスを普及させるためには、アーリーアダプターとアーリーマジョリティの間に生じるキャズムを乗り越える必要があります。

そして、キャズムを乗り越えるために最も重要なポイントが、オピニオンリーダーへの対策です。

オピニオンリーダーとは、市場全体の意思決定について、大きな影響力を有する層のことです。

イノベーター理論では「アーリーアダプター」が該当します。

全体の13.5%であるアーリーアダプターを獲得できれば、既存の評価や口コミを大きな判断材料とするアーリーマジョリティが採用し始める流れに繋がります。

アーリーアダプターは、商品・サービスの新しさに加えて、受けられる利益やメリットも重要視する層です。

そのため、商品の革新性・新技術だけでなく、実際のメリットやベネフィットも伝わるアプローチを行うことが重要です。

イノベーター理論の活用方法

繰り返しになりますが、事業で新商品・サービスを市場全体に浸透させるには、イノベーター理論で分類される5つのタイプの特徴に合わせたアプローチを行うことが重要となります。

ここでは、イノベーター理論をマーケティングに活用するための方法を解説します。

イノベーター(革新者)への対策

イノベーター(革新者)の特徴は、新商品・サービスの登場後、革新性や新技術を求めて最初期に採用する点です。

情報収集も積極的に行う層であるため、SNSやプレスリリースを活用した情報発信がおすすめです。

また、ベータ版を利用してもらい、フィードバックを得ながら顧客を確保するといった方法も有力といえます。

アーリーアダプター(初期採用者)への対策

アーリーアダプター(初期採用者)は、革新性や新技術を求めつつも、自身の利益やメリットも重視する層です。

そのため上述した通り、商品やサービスを購入するメリットも伝えられるアプローチ方法が有力となります。

例えば、使用方法やQ&Aを作成し、使い方や従来商品からの改善点などを分かりやすくまとめる方法などが挙げられます。

また、アーリーアダプターは評価や口コミを全体に発信する層でもあるため、モニターやインフルエンサーとして登用する選択も有力でしょう。

アーリーマジョリティ(前期追随者)への対策

アーリーマジョリティ(前期追随者)は、新しい商品に興味がありますがリスクは好まず、口コミや利用者数などを判断材料とする層です。

周りの人が採用していることが分かると、流行りに遅れずに購入する傾向があるため、商品の人気が高い旨が伝わるアプローチが有力となります。

具体的には、SNSやWeb広告を用いて、既に流行していることを伝える手法などが挙げられます。

その際にインフルエンサーからの推薦や評価を得られると、更に大きな効果を発揮するでしょう。

レイトマジョリティ(後期追随者)への対策

レイトマジョリティ(後期追随者)は、消費者の半数以上が採用していると気付いた際に、購入を検討し始める傾向にあります。

そのため「大多数が採用している」「採用しないと時代に遅れる」といった旨が伝わるアプローチ方法と取るとよいでしょう。

また、レイトマジョリティの層はリスクを嫌い、安心感の高い商品を好む傾向があるため、商品の安全性や品質をアピールする方法も有力です。

ただし、レイトマジョリティの獲得は、アーリーマジョリティまでの多数の顧客を獲得していることが前提となる点に留意してください。

ラガード(遅滞者)への対策

ラガード(遅滞者)は新しいものに興味がなく(拒否感がある場合も)、商品が伝統的・文化的水準まで浸透しないと購入を検討しません。

マーケティングが難しい層あり、働きかけても成果が薄い可能性が高いです。

そのため、企業からラガードに対しては積極的に働きかけないケースも多々あります。

ラガードに対してアプローチを行う場合は、製品の新技術や革新性ではなく、安心感や大多数が使用している旨を伝える必要があります。

まとめ

今回はマーケティングで重要視される「イノベーター理論」について解説しました。

イノベーター理論を理解すれば、新商品・サービスが市場に受け入れられるまでの過程を把握できます。

5つに分類される消費者のタイプに適したアプローチができれば、効率良く市場に商品を浸透させられるため、各タイプの特徴や適した対策方法を理解しましょう。

特にキャズムを乗り越えるための、アーリーアダプター(初期採用者)への対策がポイントとなります。

「いかにしてアーリーアダプターを攻略してキャズムを乗り越えるか」を念頭に置いたマーケティング戦略を組み立ててはいかがでしょうか。

この記事の執筆者

久田敦史

久田敦史

株式会社ナレッジソサエティ 代表取締役

バーチャルオフィス・シェアオフィスを通して1人でも多くの方が起業・独立という夢を実現し、成功させるためのさまざまな支援をしていきたいと考えています。企業を経営していくことはつらい面もありますが、その先にある充実感は自分自身が経営をしていて実感します。その充実感を1人でも多くの方に味わっていただきたいと考えています。

2013年にジョインしたナレッジソサエティでは3年で通期の黒字化を達成。社内制度では週休4日制の正社員制度を導入するなどの常識にとらわれない経営を目指しています。一児のパパ。趣味は100キロウォーキングと下町の酒場めぐり。

【学歴】
筑波大学中退
ゴールデンゲート大学大学院卒業(Master of Accountancy)

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