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個人事業主が支払う予定納税とは|対象者や時期、計算方法などをわかりやすく解説

[投稿日]2021/03/16 / [最終更新日]2022/09/25

個人事業主が支払う予定納税とは|対象者や時期、計算方法などをわかりやすく解説

個人事業主が一定の条件に該当すると、所得税の「予定納税」の対象となります。

予定納税は長期的に見ると決して損をする制度ではありません。しかし、制度を把握せずに急に納付を要するとなると、事業の資金繰りの悪化に繋がる恐れが生じます。

そこで今回は予定納税の概要や対象者、計算方法などを解説しています。また、資金繰りが苦しい人向けに、活用できる制度も紹介しているためぜひ参考にしてください。

予定納税とは

個人事業主が支払う必要がある「予定納税」とは、簡単にいうと「所得税を前払いする制度」です。前年の所得税の納税額を基準として、その年の所得税額を推定し、年3回(確定申告を含む)に分けて所得税の納付手続きを行います。

1年の税金を年3回に分けて納付を行うと、個人事業主が負担する税負担の軽減が可能です。また、税務署の立場からしても、早期にその年の税金を確保でき、未納になる可能性を下げられる制度といえるでしょう。

なお、予定納税で納付した税額は、確定申告で確定した税金から差引くため、税額で損をすることはありません。

参考:No.2040 予定納税|国税庁

予定納税の時期

予定納税の時期は7月と11月の年2回で、それぞれ第1期分と第2期分と呼びます。それぞれの納付時期は以下の通りです。

予定納税第1期分:7月1日~7月31日
予定納税第2期分:11月1日~11月30日

ただし、納付期間の最終日が土日祝日である場合は、その翌日が納付期限となります。

これに翌年2月~3月に行う確定申告分を加えて計3回の納付手続きを行います。

予定納税の対象者

予定納税の対象者は、前年分の所得税額(予定納税基準額)が15万円以上の方です。所得換算をすると課税所得250万円弱程度の方となります。

ただし、前年の所得に譲渡所得や一時所得、雑所得がある場合は、これらを含まないで予定納税基準額の計算が行われます。また、外国税額控除や災害減免法の規定の適用を受けている場合も計算方法が異なる点に留意しましょう。

なお、予定納税の対象になるか否かに、本年の所得金額は関係ありません。仮に本年の所得が大幅に減少したとしても、前年の所得額が15万円以上であれば、原則として予定納税を納める必要があるということです。

予定納税の計算方法

予定納税の計算方法は「予定納税基準額(前年の所得税額)×1/3」です。

予定納税第1期と第2期でそれぞれ納付を行い、合計で前年の所得税額の2/3を納付する形になります。

そして確定申告では、確定した税額から予定納税額を差引いた金額を納付する仕組みです。

予定納税額のシミュレーション

例えば2021年の所得税額が60万円、2022年の所得税額を50万円と仮定します。

この場合に、2022年7月と11月に支払う予定納税額はそれぞれ20万円ずつです。そして、確定申告のタイミングでは、2022年の所得税額50万円から予定納税額の40万円を差引いた10万円の納付を行います。

仮に2022年の売上が大きく減少して30万円となった場合は、予定納税で10万円多く支払っている状況であるため10万円の還付を受けることができます。

予定納税の手続き・納付方法

予定納税の対象となっている方には、6月中旬頃に税務署から予定納税額の通知書が送付されてきます。この通知書には、第1期分と第2期分の税額がそれぞれ記載されています。

また、予定納税の納付方法は大きく以下の5つです。

①窓口納付
②コンビニ納付
③振替納付
④クレジットカード納付
⑤e-Taxでの電子納税

ただし振替納付やe-Taxでの納付を利用するには事前の手続きを要する点に留意しましょう。

参考:振替納税手続による納付|国税庁
参考:電子納税 | 【e-Tax】国税電子申告・納税システム(イータックス)

予定納税は拒否できる?|活用できる3つの制度

予定納税は納税者が拒否できる制度ではありません。原則として対象者は必ず納付手続きを行う必要があります。

ただし、資金繰りの悪化や売上の減少といった理由があれば、減額や猶予を受けることができます。ここでは減額申請や猶予申請の手続きを紹介するため、該当の方は活用を検討しましょう。

予定納税額の減額申請手続き

予定納税額の減額申請とは、申告納税見込み額が前年の所得税額を下回る場合に、予定納税額の減額を求める申請手続きです。具体的には以下の2つの場合において利用できる制度です。

①6月30日時点の申告納税見積額が前年の所得税額に満たないと見込まれる
②10月31日時点の申告納税見積額が既に受けている減額の承認に係る申告納税見積額に満たないと見込まれる

予定納税額の減額申請手続きを行うためには管轄の税務署に「予定納税額の減額申請書」を提出する必要があります。提出期限は第1期と第2期でそれぞれ以下の通りです。

予定納税第1期:7月1日~7月15日
予定納税第2期:11月1日~11月15日

なお、提出期限が土日祝日に該当する場合は翌日が期限になります。

予定納税の支払いが難しい場合、最初に検討すべき手続きといえるでしょう。

参考:[手続名]所得税及び復興特別所得税の予定納税額の減額申請手続|国税庁

換価の猶予・納税の猶予申請

換価の猶予とは、納期限までに税金を納付できない場合において、財産の換価を猶予される制度です。制度上財産の差押えは可能ですが、実際に差押えが行われるケースは非常に稀です。

一方で納税の猶予とは、納期限が到来していない税目の納税が猶予される制度です。上記した換価の猶予よりも条件が厳しく、一定の猶予該当事実に当てはまっている必要があります。

また、換価の猶予と納税の猶予は共に延滞税が軽減される点もメリットです。

手続きを行うことで資金繰りが良い時に納付手続きができ、延滞税も最小限に抑えられます。予定納税の場合、基本的には上記した減額申請が有利ですが、申請書の提出期限が過ぎてしまった場合は換価の猶予も検討しましょう。

参考:納付の猶予制度関係

納付相談

予定納税の減額申請の提出期限や猶予申請の審査の関係で、両方の手続きができなかった場合でも、納付を無視してはいけません。

その場合、税務署に分割相談をすれば今すぐ全額の納税の避けられる可能性があります。ただし、必ずしも分割が承認されるわけではない点に留意しましょう。

また、分割相談は特段の申請手続きはなく、延滞税の軽減がない点にも注意が必要です。

無視すると延滞税の対象となる

予定納税の納付を無視し続けると延滞税の対象となります。延滞税は1日ずつ増えていく税金であるため、税負担を最小限に抑えるには少しでも早い納付手続きが大切です。

また、税務署からの催促を無視し続けたら財産の差押えを受ける可能性も生じるため、納付手続きや猶予手続きなどを確実に行いましょう。

参考:延滞税の計算方法|国税庁

消費税の予定納税(中間申告)制度

予定納税と似た制度として「中間申告」があります。制度が似ているため予定納税と一括りにして考える方も多いです。

そして、中間申告を要する税目の1つには消費税があります。消費税は個人事業主も納める必要がある税金であるため、制度を正しく理解しましょう。

消費税の中間申告の対象者

消費税の中間申告の対象者は、前年の確定申告の消費税額が48万円超の方です。

ただし、あくまでも消費税の税額が48万円超である必要があり、地方消費税は含まない点に留意しましょう。

また、年間の消費税額が48万円以下であっても、任意中間申告制度を利用する方は消費税の中間申告が可能です。

消費税の中間申告の時期

消費税の中間申告の時期は、前年の消費税の額によって変動します。消費税の額が増えれば中間申告の回数は増加するため、自身の消費税額と回数を適切に理解しましょう。

前年の消費税額 中間申告の回数/年 納付期限
48万円以下 0回
48万円超400万円以下 1回 10月1日~11月30日
400万円超4,800万円以下 3回

①7月1日~8月31日
②10月1日~11月30日
③1月1日~2月28日

4,800万円超 11月 毎月末(確定申告月を除く)

消費税の中間申告の手続き

消費税の中間申告の際は、税務署から「中間申告書」と「納付書」が送付されます。中間申告書に必要事項を記載した上で税務署に提出し、消費税の納付を行う流れです。

また、仮決算に基いた中間申告も可能です。仮決算とは、中間申告の対象となる期間を1事業年度として消費税額を算出し、中間納付を行う手続きです。

仮に年1回の中間納付が必要な場合、6ヵ月を1事業年度として納付する消費税額を算出します。

参考:No.6609 中間申告の方法|国税庁

法人税の予定納税(中間申告)制度

また、法人税も中間申告の対象になります。

個人事業主には必要のない制度ですが、法人担当者は確実に理解しましょう。

法人税の中間申告の対象者

法人税の中間申告の対象者は、前事業年度の法人税額が20万円を超えている法人です。

ただし、中間申告の対象となっているのは株式会社や合同会社の普通法人です。NOP法人などの公益法人は中間申告が必要ない点に留意しましょう。

法人税の中間申告の時期

法人税の中間申告のタイミングは事業2ヵ月以内です。

例えば3月決算の企業であれば、10月1日~11月30日が中間申告の納付期限となります。

法人税の中間申告の手続き

法人税の中間申告の方法は「予定申告」と「仮決算」の2種類です。

予定申告とは、前事業年度の法人税額から中間申告の税額を決定する方法です。法人税の中間申告は年1回であるため、前事業年度の法人税額の1/2が税額となります。

一方で仮決算とは、事業年度開始日から6ヵ月を1事業年度として、中間申告の税額を決定する方法です。全事業年度から大きく売り上げが変動した場合は仮決算が有利になることがあります。

納税準備預金の利用もおすすめ

予定納税のタイミングでの支出に困らないためにも、納税準備預金の利用がおすすめです。

納税準備預金とは、税金の納付にあてることを目的とした預金の種類です。原則として納税のタイミングで引き出せるため、事前に入金していれば急な税金の支払いにも対応できます。

納税準備金の利子は非課税であり、資金繰りの調整もしやすくなるため、ぜひ検討してください。

個人事業主の資金繰りには納税予定表が有効

税金の支払いで個人事業主が最も困ると感じるのは、それぞれの税金を納付するタイミングがバラバラである点です。

諸税金の納付のタイミングは、慣れていないといつ納税通知書が届くか分かりません。思いがけないタイミングで大きなお金が出ていくため「資金繰りが厳しい」と感じてしまうのです。

そこで役立つのが「納税予定表」です。納税予定表があればお金が出るタイミングが分かり、スケジュール感を持って資金繰りを管理することができます。

納税予定表は税理士からもらえるケースも多いです。税理士を雇っていない場合は個人で作ることも可能です。

また、インターネットで検索すれば無料で予定納税表を公開しているサイトもあるため、確認してみましょう。

法人は決算月の調節で資金繰りが楽になる

個人事業主は12月が決算月と決められていますが、法人は決算月を好きなタイミングで設定できます。そのため、法人化して決算月を変えると、資金繰りが少し楽になる可能性があります。

決算月を繁忙月以外にすると、利益ができるだけ残らないように節税対策ができるだけでなく、手元にお金がある時期を納税のタイミングに調整も可能です。

法人税の納付は決算日の2ヶ月後までです。このタイミングで出ていくお金を調整することで、資金繰りの圧迫感が変わる可能性があります。

3月決算の企業が多いという理由で、決算期を決めているケースは少なくなりません。今一度自身に最適な決算月は何月かを考えた上で決定をすると良いでしょう。

まとめ

今回は予定納税の制度や対象者、納付の時期などを解説しました。

予定納税は昨年の所得税額を基に税金を前払いする制度で、7月と11月に納付を行います。

予定納税の時期や金額が適切に理解できれば、資金繰りに余裕が生まれ、事業の成功に近付くでしょう。

また、見込みの所得が大幅に下がる場合や、資金繰りの関係で納付が難しい場合は各種制度を活用することで無理なく手続きが可能となります。さらに、納税予定表や納税準備預金を利用すれば、スケジュール感を持った資金繰りが可能となるためぜひ活用してください。

この記事の執筆者

久田敦史

久田敦史

株式会社ナレッジソサエティ 代表取締役

バーチャルオフィス・シェアオフィスを通して1人でも多くの方が起業・独立という夢を実現し、成功させるためのさまざまな支援をしていきたいと考えています。企業を経営していくことはつらい面もありますが、その先にある充実感は自分自身が経営をしていて実感します。その充実感を1人でも多くの方に味わっていただきたいと考えています。

2013年にジョインしたナレッジソサエティでは3年で通期の黒字化を達成。社内制度では週休4日制の正社員制度を導入するなどの常識にとらわれない経営を目指しています。一児のパパ。趣味は100キロウォーキングと下町の酒場めぐり。

【学歴】
筑波大学中退
ゴールデンゲート大学大学院卒業(Master of Accountancy)

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