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起業時に差別化を図ることが大切か

[投稿日]2016/05/04 / [最終更新日]2021/09/27

起業時に差別化を図ることが大切か

差別化と簡単に言うけれども

どのような形であれ起業をするということは、何かしらの商品やサービスを提供するということになるわけですが、その商品やサービスはまだ誰も知らず、誰もが腰を抜かすほどの革新的なものということはなかなかありません。

語弊がないように表現をしたいところではありますが、現在、私たちが日々当たり前のように使っている商品やサービスの多くは、上記のような「誰もが腰を抜かすほどの革新的なサービス」だった可能性がとても高いですし、私自身も事実としてそのようなものばかりを使っています。

が、一方で、そのような革新的なものは砂漠の砂の中にダイヤを見つけるくらいに難しいものであって、世の中の多くのスタートアップは全く同じというわけではありませんが、類似したものは既に、どこかで誰かが先に始めているものとの競争が最初から待ち受けていると考えたほうが妥当ともいえます。差別化と言葉で表現するほど簡単には、この世にない商品やサービスを考えるのはとても難しいことだとも言えます。



これらが意味することは、同業者、つまりはライバル企業が多いということであり、少しポイントがループしてしまいますが、そのような競争に勝ち抜くためには、「何らかの差別化」が必要だといわれる所以でもあるわけですね。

何を差別化するのか

ところで、差別化と一言で表現をしても「差別化の対象」は実は思いのほか多くのものがあります。

これは今まで存在しなかった革新的な商品やサービスを作ることができない場合であっても、特定の領域について工夫をすれば差別化は可能である、という意味です。

例えば「価格」・「技術」・「サービス」などは容易に差別化できるポイントの筆頭株です。

しかし、「価格」での差別化は、中長期戦略上における綿密な計画なしには起業したばかりの体力のない企業にはとても難しい差別化ポイントです。そうなると差別化できるポイントはその他の「技術」と「サービス」などによりフォーカスをしたほうが差別化しやすととも言えるでしょう。

美容室の例

例えば、美容室を開業したとすると以下のような店ができるのではないでしょうか?

  • とても安い店
  • カットの技術が素晴らしい店
  • 自分の好みを理解して最適なヘアスタイルを提案できる店

1つ目のとても安い店に集まるお客様の尺度は額面上の金額です。

これは、今以上に安い店があれば、そちらに移ってしまうということを意味します。そうなれば他店より安い価格にしなければ、離れたお客様を取り戻すことはできません。1円でも安い商品を求めて色々なスーパーをハシゴする人がいますが、そういったお客様を対象に価格競争になればどこまで行っても価格勝負となるため基本的には一番安くサービスを提供するだけのスケールメリットが発揮できるような大企業、または特殊な形で専業化に成功した企業でないと事業継続は難しいとも言えます。

2つ目の技術の素晴らしいという点で納得して来店してくれる場合は、より高い技術を持った店が現れると乗り換えてしまうお客様は現れてしまうと思いますが、それは3つ目のような店に同時にしていき防ぐことは可能だとも言えます。

当然、この領域に差別化ポイントを持つのであれば、継続的に徹底した技術の上達が求められることは大前提である必要があります。また、大切なことは、自社で技術やサービスにフォーカスした店を作るのであれば、技術やサービスではなく価格を求める人を敢えて捨てる勇気を持つことも求められるでしょう。



厳密に言えば、価格と技術・サービスは背反してしまいます。

技術を高めるためには、売上を上げるための時間を削ってでも訓練をしなくてはいけない場面でもあるでしょうし、サービスを高めるためにはコストがかかる場合もあれば、ひとりの顧客に費やす時間も長くなってしまいます。

そうなれば必然と価格はその分高く設定しなくてはいけません。

しかし、価格ではなく技術やサービスで選んでいただくことによって顧客を囲い込むことができるようになり、安定した経営が可能になります。

また、どのようなきっかけや考えをもって起業をしたのか?を考える良い機会を与えてくれるのが差別化について考えている時だということについても言及をしておきます。

それは、提供するサービスや価格を他とは異なるものにする理由というのは、単純に「売れそうだから」というほど単純なものではなく、そこに至るまでの過程において起業に至る導線が発生しているケースが多々あるからです。

何を重視するか?は起業前に考えていたはず

サラリーマンという雇用形態に縛られるのが苦痛だから起業したい、一獲千金を狙って大きくビジネスをやってみたい、自由に誰からも縛られない生活を満喫したいなどなど。

起業するきっかけは挙げればキリがありませんが、基本的に起業する理由は人によって違いますから「こうでなければならない」という決まりがあるわけではありません。
明確な理由がなければ起業できないシステムなどもなければ、理由もなしに起業したら失敗するという根拠もありません。
なので、自由に思い立ったらその時にチャレンジしてみるという精神はとても大切だと思います。
むしろ起業することよりも起業してからの方が色々と大変なことがあるかもしれませんし、軌道に乗るまで長い道のりになる可能性もあるでしょうから、この辺りのモチベーションをどう維持していくかという点の方が起業する上では重要なポイントだったりします。

ただ、その一方で、そのタイミングにおいて何を自分自身が考えたのか?は時間をかけて向き合ってみる価値があると思います。

例えば、自分が営業として売っている商品やサービスについて、「こんな金額では売れない」「こうすればもっと売れる」といった想いが日に日に募っていき最終的には起業した場合、自分が起業後に売る商品やサービスには、既に「こうすれば売れるはずだ」という差別化の要素はすでに感じたからこその起業になっているわけです。

もちろんとりあえずやってみることも可能

一方でそうは言っても現在起業家として活躍している人の中にも明確に何をやりたいのか分からないまま始めたり、いちいち差別化などを考えて始めていないという方は意外にも多いものです。
やりがいを感じられるビジネスを見つけられたらもちろんそれが一番いいことではあるのですが、そう易々と見つけられないのも現実ですし、仮に事前に緻密に練った戦略とはいえその通りに物事が進むほど世の中は簡単にはできていないという話なのかもしれません。
そう考えると手っ取り早く始められるビジネスに目を向けてしまうのももちろん一つの有力な選択肢ではないかと思いますし、例えばネットビジネスなどのような仕事を本業として行うことそれ自体は決して悪いことではなく、むしろコストも最小限に抑えられるため初めての起業などの場合にはリスクも限定的である点も含めメリットが多いということもできると考えます。

また、昨今のビジネス環境においてはインターネットを活用しない形でビジネス展開をすることそのものが難しいとも言えますので、上記のような起業スタイルは今後も増えていく可能性もあると考えます。

自己表現起業

ネットビジネスに限らずどんな仕事でもそうですが、基本的に初心者でも請け負える業務というのは単純作業で収入も安価なものばかりなので、この時点で飽きてしまってリタイアする人が大半を占めています。

もちろん個人事業主という形を経ずに初めから法人としてビジネスを興し、そのまま法人の顧客を増やしていけるような業態の仕事を主として行っているのであればその類ではありませんが、法人のケースであっても知人や以前のお客様などからの受注以外であれば、やはりサービス価格そのものに下落圧力が強くかかっていき、結果的には一番最初に述べたような状況に陥ってしまうかもしれません。

起業ブームの到来

さて、世の中ではあまり「起業」という言葉にはあまりフォーカスが当たらなくなっているのが実情ではあるのですが、実際にはネットを使いこなす世代の法人設立件数は上昇傾向にあるといわれています。

ただし完全に人生をその起業一本で担保するような起業ではなく、会社の仕事を継続しながらの起業であったり、本職の仕事は定時で割り切って仕事をしながら自分自身の夢を追いかける形で起業をするようなケースがとんどん増えており、このような企業は「自己実現起業」と呼ばれたりしています。

自己表現起業とは

自己表現起業とはその名の通り「自分を表現するために起業する」ことを意味しています。
もっと自分らしく仕事がしたい、自分の才能を活かした分野で活躍したい、好きなことを仕事にしたい、こういった理由から起業を選択される方が増えているのです。
起業という言葉を聞くとどうしても野心や夢といった言葉を連想してしまいがちなんですが、特別に成し遂げたい夢や沢山のお金を稼ぎたいという願望がなくても自分らしくささやかに好きな仕事をして人生を謳歌したいという考えが最近の起業の在り方となっているようです。

自己表現起業が選ばれる背景にあるもの

では、自己表現起業がトレンドとなっているその背景にあるものとは一体何なのでしょうか。

いくつか代表的なものをあげてみます。

  • 転職と起業することがほぼ同レベルの選択肢となった
  • 低コストで手軽に起業できるようになった
  • お金儲けよりも充実感を重視した仕事の在り方にシフトした
  • ネット上で即ビジネスを展開できるようになった

などが理由としてあげられていることもよく目にしますが、概ね「自分自身のやりたいことを仕事にしたいという希望を実現するすべがインターネットを活用することにより身近になった」という状況のようです。

そしてその一翼を担っているのは、個人でもインターネットを活用してより広範囲の人々へ影響力を行使できるようになったという時代の背景もあるでしょう。

ECサイト、SNS、ブログといったサービスの登場によって手軽にビジネスを始められるようになり、好きなジャンルやサービスを自分のペースに合わせて取り組めるというのは起業家にとって大きなメリットです。

なぜ「自己実現起業」を本投稿の最後に置いたかというと、最終的には自分の仕事が好きで好きで仕方がないというサービス提供者本人の心の持ちようを超えるだけの他との差別化戦略はないと個人的には考えているからです。

人間は好きなことをやっていると、時間が過ぎるのを忘れてしまうくらいに没頭します。

自己実現起業を通して提供されているサービスというのは、これまでの企業サービスとは内容が一緒であっても、サービスそのものが没頭するくらいに楽しくてしょうがない活動の中から生み出されているのだとすれば、これは強力な差別化戦略だと認めざるを得ない側面も多々あると思います。

そう考えると、やはり起業をすることそのものと、同時に自分が好きなこと、やりたいことを仕事にすることをスタートのタイミングで揃えることができれば、わざわざ頭の中に「差別化戦略」を構想せずとも他との差別化は十分に図ることができる可能性があり、そのようなケースに至っては、あとはいかに自分自身、または自社をPRしていくのか?という点に頭を悩ませればよいという話になりそうです。

この日本においても、どんどん起業をして国や経済を盛り上げていく起業家が増えていくことを切に願っています。

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