起業する具体的な方法とは?必要な知識・手続き・資金調達も紹介

2019年11月20日
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近年、自分が生み出したアイデアや発明を使って、ビジネスを始めたいと考える方が増えています。
その一方で、新しい事業を起こすための方法が分からず、悩んでいる方も少なくありません。起業を行い、経営者としてビジネスを展開するためには、いくつかの知識や手続きが不可欠です。

そこで当記事では、起業のために必要な「知識」や「資金調達の方法」「事業を始めるための手続き方法」について紹介します。現在、起業を検討されている方は、ぜひご覧ください。

目次

1.起業方法を考える第一歩とは?

起業するための第一歩は、事業の目的・動機を考え、事業計画を立案することです。事業の目的と計画を最初に定めることで、一貫性のある経営と事業におけるリスクへの対策が行えます。

ここでは、最初に行うべき事業目的と事業計画の設定について、詳しく紹介します。

1-1.起業する目的・動機を考える

起業する上で、「明確な目的・動機」がないと成功する確率が低くなります。例えば、単に「儲かりそう」などといった曖昧で自分本位な動機では、失敗する可能性が高くなります。
起業は、社会に対して自らが価値を提供するための手段に過ぎません

社会や事業に関わる人々に、どのような価値を提供し、貢献したいのかを定めず起業すると、事業活動の軸がぶれてしまいます。起業の目的が単に儲けたいだけで、事業活動の軸がぶれてしまうようなビジネスでは、社会に受け入れられないでしょう。

ビジネスが社会に受け入れられるためには、起業する際に以下の点を明確にすることが大切です。

  • 事業を通して、自分がどのような姿になりたいのか?
  • 事業を通じて、社会に対して何を実現するのか?
  • 自らの目的に最も合った方法は、どのようなものか?

また、起業する目的や動機は、自分だけではなく、家族や友人・知人といった周囲の人々による意見も参考にしましょう。

1-2.事業計画を立案する

起業する動機・目的を検討した後は、事業の方向性や具体的な事業の進め方をまとめた事業計画を立案します。事業計画は、「事業計画書」として文書で作成しましょう。
実際に事業を進める上でのリスクを最小化するためには、事業計画に基づいた計画的な経営を行うことが欠かせません。計画的な経営を可能にする事業計画書には、以下の事柄について、記載しましょう。

  • 事業概要
  • 会社概要
  • 製品やサービス
  • 市場の分析
  • 今後の戦略と実行方法
  • 資本金の額や調達方法などの資金計画 etc…

また、事業計画を立案する目的は、起業後に計画的な経営を行うためだけではありません。起業に必要な資金を外部から調達するためにも、事業計画は必要です。
起業家に資金を提供する金融機関や投資家は、事業が成功する可能性を事業計画から判断します。そのため、起業家が資金調達を行うためには、完成度の高い事業計画書が欠かせません。

2.起業に必要な「会計・法律・マーケティング」の知識

起業する際に、ある程度「会計・法律・マーケティング」の知識を理解する必要があります。ただし、事業を始めて間もない段階では、ここで紹介する知識を完璧に理解する必要はありません。実務を通じて、これらの知識を学んでいくという姿勢が大切です。

①会計
会計の知識は、起業のために調達した資金を適切に管理するために必要です。会計の知識を持つことで、起業を開始するために必要な設備資金とその後の経営に必要な運転資金などの事業資金を効率良く分配でき、スムーズに事業を行えます。

会計について学ぶこと
財務会計 社外に対して自社の経営状況を示す財務諸表を作る(読む)ための知識
管理会計 社内において効率的な経営を行うために必要な予算管理と原価計算を行うための知識

②法律
法律について無知な状態で企業を経営することで、知らず知らずのうちに違法行為に手を染めてしまう可能性があります。ただし、企業に関係する全ての法律を完全に理解する必要はありません。起業する上で欠かせない法律の知識としては、以下の通りです。

法律について学ぶこと
企業法 会社法や商法など企業経営や商取引について定めた法律
税法 法人税法や消費税法など税金について定めた法律
労働法 労働基準法などの従業員を雇用する際のルールを定めた法律
自社に直接関係する法律 例えば、ゴミ処理事業を行う企業であれば、廃棄物処理法などの知識

③マーケティング
マーケティングの知識は、顧客に価値を提供し、利益を上げる仕組みを構築するために必要です。マーケティングは法律や会計とは異なり、体系的な知識として身に付けるものではありません。
実際の業務についてPDCAを繰り返しながら、体験的に身に付けることがおすすめです。以下に挙げたマーケティングに関する知識について、実務上の課題を通じて学びましょう。

マーケティングについて学ぶこと
経営戦略論 SWOT分析や3C分析などの企業経営を戦略的に分析するためのフレームワークやその使い方に関する知識
消費者行動論 消費者の行動に関して、経済や心理など様々な視点で分析するための知識

3.【要確認】起業では資金の調達方法が重要

起業に必要な資金全額を自己資金では賄えない場合、外部から調達する必要があります。起業資金を調達する際には、事業の特性に応じて、様々な方法を使い分けることが大切です。

また、外部からの資金調達には、返済義務を負ったり、企業の所有権を引き渡したりするなど、起業後のリスク要因となる可能性があるため慎重に判断しなければなりません。主な外部調達の方法は、下記の通りです。

融資
  • 金融機関から資金を借りること
  • 返済義務がある
  • 日本政策金融公庫や民間銀行による融資が一般的
出資
  • 事業の将来性を見越して、資本の提供を受けること
  • 返済義務はないが、株式などの発行が必要
  • 個人投資家やベンチャー・キャピタルによる出資が一般的
補助金・助成金
  • 国や地方自治体による起業への支援政策の一環として資金給付を受けること
寄付
  • 資金の提供を受けること
  • 出資とは異なり、株式の発行が不要
  • クラウドファンディングが有名
賞金
  • 起業家を支援するためのビジネスコンテストの賞金を起業資金として活用すること

近年は、融資や出資など従来型の資金調達方法ではない、寄付や賞金に注目が集まっています。クラウドファンディングやビジネスコンテストによる資金調達では、従来型の方法と比べて、自らが提示するビジネスモデルの新しさをアピールすることが大切です。

4.事業開始の手続き方法

事業の開始に必要な手続きは、「個人事業主」と「法人」では異なります。

法人を設立する手続きと比べて、個人事業主として事業を始める方が、行う手続きはシンプルです。また、法人は設立するだけで、少なくとも20万円の手数料が掛かる一方で、個人事業主としての起業では費用は掛かりません。

しかし、個人事業主と比べて、法人として事業を行うことで、高い社会的信用が得られます。そのため、起業する際は、それぞれのメリット・デメリットを比較検討して、事業形態を選択する必要があります

ここでは、個人事業主と法人で、事業を始めるための手続きと提出物・手数料について、紹介します。

4-1.個人事業主の場合

個人事業主として事業を開始するためには、税務署に以下の書類を提出する必要があります。

  • 開業届(マイナンバーの記載が必要)
  • 青色申告承認申請書(青色申告を行う場合)

いくつかの手続きが必要ですが、青色申告を行うことで、次のようなメリットが得られます。

  • 青色申告特別控除65万円が利用できる
  • 配偶者などの給与を経費に計上できる
  • 赤字分を3年間繰り越せる

青色申告を行うためには、事前に「青色申告承認申請書」の提出が必要です。また、日常業務では「複式簿記による帳簿付け」と確定申告時での「損益計算書」と「貸借対照表」の提出が必要となります。

4-2.法人の場合

株式会社や合同会社など「法人」として起業するための手続きは、以下の通りです。

①定款の認証
定款とは、会社を経営していく上で基本となる規則のことです。定款は作成後に、公証人による認証を受ける必要があります。定款の認証に必要な費用は次の通りです。

  • 手数料:5万円
  • 収入印紙代:4万円(電子定款の場合は不要)

②法務局での登記
定款の認証を得た後は、法務局で法人の設立登記を行う必要があります。その際に必要なものは下記の通りです。

  • 定款
  • 出資金の払込が証明できる書類
  • 登録免許税(「資本金の0.7%分」か「15万円」の高い方)

③税務署への届出
法人登記の完了後は、税務署で法人設立届出書を提出します。税務署への届出に必要なものは、下記の通りです。

  • 定款
  • 登記事項証明書(履歴事項全部証明書)
  • 株主名簿
  • 設立趣意書
  • 設立時貸借対照表

④社会保険の手続き(従業員を雇用する場合)
従業員を1人でも雇用する場合は、社会保険の手続きを行う必要があります。手続きする内容と届け出先は、以下の通りです。

手続きする内容 届出先
健康保険、厚生年金 年金事務所
雇用保険 ハローワーク
労災保険 労働基準監督署

まとめ

起業するためには、ビジネスを始める目的を明確にし、事業計画を綿密に作成する必要があります。また、経営者として必要な会計や法律、マーケティングの知識を身に付けなければなりません。

事業を始めるためには、税務署など役所への手続きも必要です。一人で全ての手続きを行うことが難しい場合は、税理士や司法書士など専門家のサポートが受けられます。
また、自治体や商工会議所では、起業支援窓口を設置している場合もあるため、これらの方法を上手に使って、起業を成功させましょう。