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一般社団法人とは|他の法人格との違いやメリット・デメリット、設立方法を簡単に解説

[投稿日]2021/01/06 / [最終更新日]2022/11/21

一般社団法人とは|他の法人格との違いやメリット・デメリット、設立方法を簡単に解説

法人と聞くと真っ先に「株式会社」をイメージする方もいるでしょう。しかし実際は「営利法人」と「非営利法人」に分けられた中に、様々な法人格が存在します。

その中の1つが「一般社団法人」です。

「公益性が大きい事業をしてそう」などとザックリとしたイメージを持っている方は少なくありません。しかし他にも、様々な要素で株式会社などの他の法人格との違いがあります。

そこで今回は、法人格の1つである一般社団法人の概要やメリット・デメリット、設立方法を他の法人格と比較しながら解説しています。事業の実態によっては、一般社団法人の選択が最も適している場合もあるため、ぜひ参考にしてください。

一般社団法人とは

一般社団法人とは非営利法人の1つです。一般的に、営利性ではなく社会貢献活動や社会問題の解決を目的とした法人である傾向があります。

また、非営利法人は無料奉仕を行う団体と思われがちですが実際は異なります。非営利法人を簡単に表すと「利益の分配をしない法人」です。得た利益は特定の人に分配するのではなく、社会貢献活動等に利用します。

活動資金は会費や寄付金によって調達を行う仕組みです。

一言で非営利法人といっても様々な法人格が存在しますが、その中でも一般社団法人は、最も幅広い活動で認められる法人格です。他の非営利法人については詳しく後述します。

一方で、営利法人とはその名の通り、主に営利性を目的としている企業を指します。具体的には「株式会社」や「合同会社」が有名です。

一般社団法人の社員

一般社団法人の「社員」とは、団体の構成員を指します。社員総会での議案の提出や議決権の行使ができる立場で、株式会社で言う「株主」に近い立場と言えます。株主と同様に労働力を提供する義務はありません。

株主と異なる点は、上述した利益分配の有無です。株主の場合、業績が良ければ利益の分配を受け取れますが、一般社団法人の社員に利益の分配はされません。

なお、一般社団法人を設立する際は、2名以上の社員が必要となります。社員は個人だけでなく法人や団体でもなれる点がポイントです。

他方で「対価を得て活動を行う人」は「従業員」と呼びます。従業員は社員に与えられている権限を持ちません。

また、従業員については、他の法人格と同様に給与という形でお金を受け取ることができます。

一般社団法人の機関

一般社団法人の機関として「社員総会」と「理事」を置く必要があります。

社員総会とは一般社団法人の最高意思決定機関を指し、社員で構成されます。決算期ごとに召集される「定時社員総会」や、時期に決まりはなく必要に応じて招集される「臨時社員総会」によって、法人の基本事項や組織の運営・管理に関する事項などを決定できます。

ただし、社員総会で決議できる事項は、後述の理事会の有無によって異なる点に留意しましょう。

他方で「理事」とは、一般社団法人の重要事項を決定できる権限がある役職です。その中でも代表理事になると、株式会社の「代表者取締役」のように対外的な代表権を持てます。

その他にも一般社団法人では以下のような機関があります。

・監事:理事の職務執行を監査し、問題がある場合は理事会に報告する機関
・会計監査人:帳簿や明細書などを監査し、問題がある場合は監事に報告を行う機関
・理事会:理事全員で構成される意思決定の機関

これらの機関の設置は任意です。

なお理事会の設置には3名以上の理事が必要となり、同時に監事の設置が必要となる点に留意しましょう。

一般社団法人の基金

一般社団法人は営利法人や一般財団法人とは異なり、資本金制度や財団の拠出制度がありません。つまり資産が0円であっても法人の設立をできる仕組みです。

しかし、一般社団法人の運営には費用を要するため、資金調達手段が設けられています。

具体的には、社員や第三者から活動資金を集める手段で「基金制度」と呼びます。

基金は出資とは異なり登記事項ではなく、法人内部で手続きが完了します。また、法人と拠出者の両方の同意によって返還義務を負う点も特徴です。

その他の主な非営利法人

非営利法人には、一般社団法人以外にも様々な法人格が存在します。一般社団法人とこれらの法人格の違いが分かれば、より適切な法人形態を選べるでしょう。

ここでは、一般社団法人以外の主な非営利法人を解説します。

一般財団法人

一般財団法人とは、財産の運用を目的とする団体です。

設立時には、理事3名、評議員3名、幹事1名の計7名と、300万円以上の財産の拠出が条件となります。また、一般社団法人とは異なり、人ではなく財産に対して法人格が与えられる点が特徴です。

活動の内容は厳密に定められていません。例えば、自分のお金や土地等の財産を社会貢献に使ってほしい場合などで「財団法人」に委ね、有意義に活用することができます。

具体的には美術館や博物館、奨学金支給や環境事業、緑化事業などが挙げられます。

公益社団・財団法人

公益法人とは、その名の通り公益事業が主な目的の団体です。設立には一般社団・財団法人として会社を設立のうえ、内閣府または都道府県からの公益性の認定を受ける必要があります。

一般社団法人や一般財団法人と比較して、審査の通過が必要な点や、認定後も一定の基準を満たし続ける必要がある点で、比較的設立・維持のハードルが高いと言えます。

また、公益性を求められない一般社団法人に対して、公益法人は活動費全体の50%以上を公益目的事業が占めなければ認定はされません。

公益目的の事業を行うため社会的信用力も高く、税制面でも優遇されます。しかし、学術や美術、演芸、慈善などの指定された23種類の公益事業の中で活動しなければなりません。そのため、自由度や選択の幅は狭いと言えます。

NPO法人(特定非営利活動法人)

NPO法人(特定非営利活動唐人)とは、その名の通り特定非営利活動を行う法人です。

「特定非営利活動」とは、法律で定める20分野のいずれかに該当する活動を、不特定かつ多数の者のために行うことです。具体的には以下のような活動があります。

・保険や医療、福祉の推進
・社会教育の推進
・まちづくりの推進
・学術や文化、芸術やスポーツの振興
・被害救援活動
・地域安全活動 など

設立には都道府県または政令指定都市の認証が必要です。認証後に法人登記を行うことで、法人として成り立ちます。

一般社団法人のメリット4選

一般社団法人は営利法人や他の非営利法人、個人と比較して様々なメリットがあります。メリットを最大限に活かせる活動であれば一般社団法人としての設立も検討しましょう。

ここでは一般社団法人のメリットを4点解説します。

設立の手続きが容易

一般社団法人は法人設立の手続きが比較的容易です。

他の非営利法人とは異なり、諸官庁からの認定を受ける必要はありません。資本金の振込みもないため、株式会社と比較した際も手続きは少ないと言えます。

また、人員も最低2名がいればよく、大規模な資金もいりません。

期間も2週間から1ヵ月あれば十分に手続きを終えられる点も魅力です。

幅広い事業内容で認められる

一般社団法人は幅広い事業内容で設立が認められています。

一方で他の非営利法人は、事業内容の制限が課されています。例えば一般財団法人は財産の運用、公益法人は公益性がある事業、NPO法人は特定非営利活動などです。

そのため、他の非営利団体が設立できない場合であっても、一般社団法人であれば設立が可能です。

諸官庁への報告義務もなく、自由な事業運営ができる点も大きなメリットとなるでしょう。

社会的な信用が高い

一般社団法人は比較的容易に設立ができますが、法人格を持たない任意団体と比較して社会的な信用力が高いです。

信用力が上がる要因には以下のようなものがあります。

・登記簿謄本の閲覧によって法人の実態を確認できる
・法人名義の口座が開設でき、寄付金の振込みの際に安心感を生みやすい
・代表者個人が活動できなくなっても組織として活動ができる

信用力が高まると寄付金を集めやすくなり、より柔軟に活動ができるといったメリットが生まれます。

節税にも繋がる

一般社団法人は税法上で2つの区分に分けられています。

・非営利型一般社団法人
・普通型一般社団法人

非営利型一般社団法人とは「非営利型が徹底された法人」もしくは「共益等活動が目的の法人」のいずれかに該当する法人です。

非営利型一般社団法人に該当する場合、収益事業以外の利益に課税されないため、大きく税負担を軽減できます。

その結果、資金繰りに余裕が生まれるため、活動の幅が広がると言えるでしょう。

一般社団法人のデメリット4選

一方で、営利法人の方が向いているケースや一般社団法人のメリットを活かしきれないケースもあります。

ここでは一般社団法人のデメリットを4点紹介します。メリットと天秤にかけて法人形態の決定の参考にしてください。

利益の分配ができない

上述した通り、一般社団法人では社員に利益を分配できません。

そのため余剰金が生まれた場合でも、今後の活動資金に充てる必要があります。基本的に社員はどんなに頑張っても収入を上げることはできません。

そのため、配当金を目標や目的として働けない点はデメリットとなるでしょう。

税制上のメリットがないケースもある

上述した普通型一般社団法人の場合、事業で得た全ての利益が課税対象になります。つまり、税負担は株式会社や合同会社と同じになるということです。

そのため、非営利型一般社団法人でないとメリットを十分に活かしきれません。

一方で知名度の高い株式会社の方が有利になるケースも多いため、税制面以外でメリットがあるかを正しく判断しましょう。

必要な手続きが増える

任意団体が一般社団法人になると、事務処理が複雑になります。

法人としての会計処理を行う必要があるだけでなく、理事等の任期更新のたびに登記手続きや費用を要し、様々な書類の作成も必要です。他にも、毎年社員総会を開催する必要がある点も手間になるでしょう。

そのため、必要な手続きが増える点を加味しても、一般社団法人になるべきかを確認すべきと言えます。

資金調達の手段が制限される

一般社団法人は営利団体と比較して、株主や社員からの出資を受けることができません。特に株式会社は上場すれば全国の投資家から莫大な資金を得られる可能性もあります。

一方で一般社団法人は株主や社員からの出資を受けられず、上場もできません。基金制度はありますが、出資と比較して資金は集まりにくいでしょう。

そのため、莫大な資金を投入して事業を拡大したい場合には向いていない可能性があります。

一般社団法人が適したケース

一般的に以下の事業を行う場合は、一般社団法人が選択される傾向にあります。

・公益性が高い事業
・協会ビジネス

公益性が高い事業とは、芸術や地域復興関連事業、障害福祉事業、介護福祉事業などが該当します。また、協会ビジネスとは、特定の分野での共通利益の獲得や社会貢献を目指している「教会」を設置して利益を得る事業内容です。

しかし、どの法人格を選ぶべきかは一言で断言できません。上記以外にも一般社団法人が向いている例もあれば、上記の事業は必ず一般社団法人にすべきとも言えません。

一般社団法人の最大の特徴は、設立までに少ない人数と時間で自由に活動ができる点です。また、法人化によって社会的な信用が得られ、活動や事業によっては税制面での恩恵も受けられます。

最近では、任意団体から活動を拡大させる場合の第一選択肢となっています。

他にも、社会貢献や公益性といったイメージを持たせるために、一般社団法人を選ぶ事業もあります。

反対に、株式会社であっても公益性が高い事業は可能であるため、メリット・デメリットを適切に理解したうえで法人の形態を選ぶことが重要と言えるでしょう。

一般社団法人を設立する流れ

一般社団法人の設立は他の法人格と比較して手間が少ないです。しかし個人事業の立ち上げと比較すると複雑で馴染みのない手続きも多いため、事前に大枠の流れを確認しましょう。

ここでは、一般社団法人の設立の流れを解説します。

手続き1.設立時理事・社員の選任

一般社団法人の設立を発起したら、設立時の理事と社員の選任を行います。設立時監事や設立時会計監査人を置く場合も同様に選任を行います。

理事は最低1名置く必要がありますが、理事会を設置する場合は3名以上必要です。

また、社員については法人や団体であっても問題ありません。

手続き2.定款の作成

その後、社員が共同で定款を作成します。

定款とは、一般社団法人の運営上守るべき規則を記載したものです。一般社団法人を立ち上げる際は必ず作成が必要で、定款に沿って運営を行う必要があります。

手続き3.定款認証

そして、定款を作成したら公証役場で定款認証を受けます。手続き先の公証役場は、本店所在地と同一の都道府県にある公証役場です。

定款認証を受ける際は5万円の手数料を要します。また、定款を紙で作成する場合は4万円分の収入印紙も必要となる点に留意しましょう。

手続き4.登記申請

定款の認証が完了したら、法務局で設立登記を行います。

法務局窓口での申請も可能ですが、郵送やオンラインの手段もあります。

登記申請の際は登録免許税6万円を要する点に留意しましょう。

手続き5.各種公的機関への届出

登記申請が完了したら法人の設立は完了です。

しかし、登記後にも各種公的機関への提出書類があります。

具体的には税務署や都道府県・市区町村、年金事務所、ハローワーク・労働基準監督署などです。提出書類は従業員の有無によっても変わるため、手続き漏れがないようにしましょう。

また、必須の手続きではありませんが、法人口座の開設もおすすめです。法人口座があれば、振り込みを受ける場合の信用力が高まるためです。

まとめ

今回は一般社団法人の概要やメリット・デメリットなどを他の法人格と比較しながらご紹介しました。

一般社団法人は公益性のイメージを持たれているため、利益追求を前面に押し出さず任意団体からの法人化を検討する場合は、有力な選択肢となります。

メリットを最大に活かせれば資金調達がしやすく、税制面でのメリットも生まれるため、活動をより柔軟に行うことができるでしょう。

今後、設立を検討し、手続きに臨む際の参考にしていただいたら幸いです。

この記事の執筆者

久田敦史

久田敦史

株式会社ナレッジソサエティ 代表取締役

バーチャルオフィス・シェアオフィスを通して1人でも多くの方が起業・独立という夢を実現し、成功させるためのさまざまな支援をしていきたいと考えています。企業を経営していくことはつらい面もありますが、その先にある充実感は自分自身が経営をしていて実感します。その充実感を1人でも多くの方に味わっていただきたいと考えています。

2013年にジョインしたナレッジソサエティでは3年で通期の黒字化を達成。社内制度では週休4日制の正社員制度を導入するなどの常識にとらわれない経営を目指しています。一児のパパ。趣味は100キロウォーキングと下町の酒場めぐり。

【学歴】
筑波大学中退
ゴールデンゲート大学大学院卒業(Master of Accountancy)

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