
「起業をしようと考えているけど、最初の資金調達にどのような方法があるかわからない…」起業をする際に気になる、最初の資金調達。自分でコツコツ貯めるのか、それともどこかで融資を受けてから事業を始めるべきなのか。迷っている学生起業家も多いのではないでしょうか?
今回は起業をする際、最初の資金として活用できる方法についてまとめています。是非、起業を考えている方は参考にしてみてください。
車や備品を購入したり、仕入れをしたり、事務所やテナントを借りるなら家賃の他にも保証金や仲介手数料、火災保険料も必要になります。また、ケースによっては、事業が軌道に乗るまでの数か月間の生活費も用意する必要があるでしょう。
本記事では、その開業をする際の資金調達の方法について説明していきます。良いアイデアを思いついて、起業したいけれど、必要な資金を用意する方法についてよくわからないという人は、是非参考にしてください。
目次
自己資本で開業する
最もよくあるパターンは、社長の自己資本で開業するパターンです。アルバイトなどで資金を貯めて、資金を調達する方法は大学生にとっては最も身近な方法なのではないでしょうか。
起業をし、事業をうまく軌道に乗せたいと本気で考えているのであれば、その目標に向けてお金を貯めることもできるはずです。
本当に今からやろうとしている事業がやりたい事業なのか。起業してその先のことにどこまで本気になることができるのかということを確かめる上でも、一度数十万円を貯めてからスタートするのもよい方法なのではないでしょうか。
アルバイトなどでコツコツ資金を貯めるために、継続して努力をし続けるという行動は、起業後にも非常に大事なことです。業種によって、最初に必要な資金にはバラツキがあります。しかしながら事業を行っていく上では何かしらの費用が発生する可能性が高いので、ある程度の資金は用意しておくと良いでしょう。
ビジネスコンテストに参加して賞金を得る
起業をする学生向けにビジネスコンテストを行っている機関や、団体は数多く存在しています。主催団体の業種に沿ったテーマのプランを考えるビジネスコンテストや、大学が主催しているものでは該当の大学に通う大学生の中から選出されるというものもあります。
ビジネスプランコンテストに挑戦することには、様々なメリットがあります。もちろん、優勝などをすれば賞金がもらえるコンテストがあるということはメリットです。しかしながらそれだけではなく、実際にその分野などで活躍している社会人の審査員や、投資家からのアドバイスなども受けることができるという点もビジネスプランコンテストに挑戦するメリットです。
一例として、いくつかのビジネスプランコンテストと、その内容を紹介します。
TOKYO STARTUP GATEWAY
TOKYO STARTUP GATEWAY(TSG)は、テクノロジーから、モノづくり、ソーシャルイノベーション、リアルビジネス、グローバルを見据えた起業など、分野を越えて、「東京」から世界を変える若き起業家を輩出するスタートアップコンテストです。東京都が主催のビジネスプランコンテストで、優秀賞に輝くと賞金50万円、最優秀賞に輝くと賞金100万円を受け取る事ができます。
全国物流ビジネスコンテスト〜ロジたま〜
全国物流ビジネスコンテスト〜ロジたま〜は、株式会社ネストロジスティクスが運営するビジネスプランコンテストです。2021年に第一回を迎える新しいビジネスプランコンテストで、募集テーマは、「物流で未来のビジネスを創る。」というテーマでプランを募集しています。
また、参加者には事前に3DAYsインターンが行われています。そのインターンの中では、どのようにビジネスプランを考えていくのか、物流業界の現状や動向についてのワークショップが行われます。優秀プランに選ばれると50万円、最優秀プランに選ばれると100万円を受け取ることができます。
日本アントレプレナー大賞
日本アントレプレナー大賞は賢者の選択 リーダーズ倶楽部が主催するビジネスプランコンテストです。トップ経営者たちが次世代アントレプレナー創出のために集結した日本最大級の「アントレプレナー創出プラットフォーム」。
今回で第6回目となる日本アントレプレナー大賞は、新人起業家のビジネスプランの発掘、選考、及び産業化へのサポートをすることにより、次世代のアントレプレナーを創出する基盤、風土を作るために創設されたビジネスプランコンテストです。
マネジメント部門、サイエンス部門、ヘルスケア部門、エンタメ部門、ソーシャルビジネス部門のそれぞれに部門賞があり、受賞すると賞金30万円が、大賞を受賞すると賞金100万円を受け取ることができます。
この他にも学生が参加することのできるビジネスプランコンテストは数多くあります。更に詳しい情報は、こちらの記事を参考にしてみてください。
クラウドファンディングで資金を集める
クラウドファンディングは最近、耳にする機会が多くなってきた資金調達の方法の一つです。リターンを設定して、支援をしてくれた人に対してお礼の品などを送ることができのも特徴です。設定の仕方や、宣伝方法によっては非常に多くの支援者を集めることが可能です。事業を始めたタイミングから、ファンを作ることができるという点も強みです。
しかし、コミュニケーションコストが非常にかかり、耳にするような多額の支援を受けるプロジェクトへとするためには、かなりの努力が必要になるでしょう。
ここでは、有名なクラウドファンディングサイトと、そこで実現したプロジェクトを一部紹介します。
CAMPFIRE(キャンプファイヤー)
「CAMPFIRE」は日本最大級のクラウドファンディングサイトです。
CAMPFIREの大きな特徴は扱っているテーマの多さです。ビジネスから飲食店、美容系やアート系など、ほぼ全てのテーマを取り扱っています。そのため、どのような起業であっても安心して利用することができます。また、利用者数も非常に多いため、プロジェクトが多くの人の目に触れるというメリットもあります。
キャンプファイヤーで実際に実現したプロジェクトとして、有名なものは「株式会社JAM」によって行われたプロジェクト「SAVE THE JAM – 「印刷で遊ぶ。印刷と遊ぶ。」を残したい -」は、新型コロナウイルスによって資金繰りが厳しくなった当該法人の店舗維持費などの支援を求めたプロジェクトです。
10,000,000円の目標金額でしたが、結果として30,000,000円を超える支援が集まりました。
約20種類のリターンを設定したことにより、同じ支援金額であっても様々なリターンを選択できる点に工夫が伺えます。
Makuake(マクアケ)
「Makuake(マクアケ)」は「株式会社サイバーエージェント」が親会社となる「株式会社マクアケ」が運営するクラウドファンディングサービスです。
多くのジャンルを扱っているサービスに加え、非常に認知度が高い親会社を持っているという安心感があります。また、各分野における専門家が在籍しており、プロジェクト成功のためのサポートも手厚いことが特徴です。
Makuakeを使用したプロジェクトで有名なものとして、「佐藤我久」氏が行った「大学生路上靴磨き職人が名古屋に「魅せる」靴磨き専門店を開くプロジェクト!!」をご紹介します。当時現役大学生であった佐藤我久氏が、自身の靴磨き専門店の開業資金として支援を募ったプロジェクトです。
目標金額を1,000,000円と設定しながら2,500,000円以上の支援を受けることに成功しました。
例え個人であっても、この成功例のように大きな資金を集めることができる点がクラウドファンディングの魅力の1つを言えるでしょう。
この他のクラウドファンディングサイトの解説や、プロジェクトをうまく成功させるコツなどについては、こちらの記事でより詳しく解説しているので、参考にしてみてください。
エンジェル投資家などから投資を得る
ベンチャーキャピタルやエンジェル投資家、他企業などから出資を受ける方法もあります。
エンジェル投資家は、ベンチャーキャピタルを個人で行っているような個人投資家のことです。
こういった出資元は、実績よりも未来への成長率に対して出資してくれますが、出資先の上場を目指すために著しい成長を求めます。
このような方に出資をしてもらえると資金を得られるだけでなく、エンジェル投資家の知見や人脈での支援が受けられることがあります。事業が軌道に乗るとベンチャーキャピタルからの出資を得られる可能性もあります。
出資を受けるということは返済不要の資金を得られることになり大きなメリットですが、起業した方の持ち分比率が低下すると最悪のケースでは自分が起業して起こした会社にも関わらず、解任され会社から追い出されるといったこともありますので注意が必要です。
日本政策金融公庫からの融資を受ける
起業資金のための資金調達方法として、銀行や信用金庫による借入があります。しかし、これらの機関は、企業としての実績が無いと借入することは難しいため、資金集めに時間がかかってしまいます。
そこで、法律に基づき設立された「日本政策金融公庫」で借入することがおすすめです。
起業前や起業後間もない人が対象となっています。起業してある程度経ってしまうと、新創業融資制度は利用できない点に注意しましょう。
雇用の創出を伴う事業を始める人や、現在勤めている起業と同じ業種の事業を始める人のほか、民間金融機関と公庫による協調融資を受けて事業を始める人が対象となっています。これらの条件のうち、1つ以上をクリアすることで、融資を受けることが可能です。
創業時に自己資金が無ければ、新創業融資制度を利用できません。しかし、現在勤めている企業と同じ業種の事業を始める場合、この条件を満たすとみなされます。
新創業融資制度の融資限度額は3,000万円となっているため、借入の金額には注意しましょう。
日本制作金融公庫についての詳しい記事はこちらを参考にしてみてください。
まとめ
いかがでしたでしょうか??起業をする際に必ずと行っていいほど頭を悩ませる問題の「資金調達」。今回紹介した方法以外にもたくさんの方法がまだまだ存在しています。数ある方法の中から、自分にあった方法で資金調達を行い事業を進めていくことがとても重要です。
この記事の執筆者

片島聖矢
ELPIS Inc, 代表
日本大学芸術学部写真学科在学中の片島聖矢と申します。
高校生時代からマネジメントやデザインなど、様々な分野に興味を持ち、制作活動などを行ってきました。
高校生時代には、広島県主催の広島創生イノベーションスクールに参加し、リーダーとしてマネジメントも経験させていただきました。そこから現在は起業し、デザイン、写真撮影、動画撮影・編集など幅広くクリエイティブな事をさせていただいております。
若さを活かし、現役大学生ならではの視点で情報をお届けしていきたいと思います。よろしくお願いいたします。