
いま、シニア起業家が増えています。30年前と比べて60代で起業しているシニアは3割を超えていて、セカンドライフを「起業」という形で切り開いている人材が注目を集めています。
令和という新時代、定年後に起業する選択肢はメリットがあるのかどうか、シニア起業について一緒に見ていきましょう。
目次
増えるシニア起業家!そもそも、シニア起業とは?
シニア起業家とは、60代で起業する人材のこと(50代から起業する人材はミドルシニア起業家とも言います)で、定年退職後、もしくは退職前に起業することを「シニア起業」と呼んでいます。
60代は定年退職など、人生のターニングポイントとなる年代でもあります。第2のライフステージでは再就職や再雇用といった働き方もありますが、同様に起業するというケースも増えてきているのです。
自分が培ってきたスキルや社会経験をもとに起業したり、地域のコミュニティーに特化したサービスを展開したり、やりたかった事業にチャレンジするなど、60代で起業に挑戦していくのがシニア起業です。
シニア起業のメリット
若い世代でなくても、シニアが起業するメリットはたくさんあります。
・それまでの社会人人生で、社会的地位が確立されている
・社会経験が豊富で知識も豊富
・企業の信用を得やすい
・能力が培われている
・人脈が形成されている
・資金力がある
・協力者を得やすい
・人として器が備わっている
・自分の時間を取りやすくなる
ざっと挙げただけでも、これだけのメリットがあります。デメリットも確認しておきましょう。
・経験が邪魔をして、物事の見方、捉え方に柔軟性がない
・親や配偶者の介護、自身の健康などに不安が出てくる
・家族の同意が得られない場合がある
・身体的に若い頃のような無理ができなくなる
60代は心身の無理がききづらい年代でもありますが、最近のシニア世代は気持ちの面でも若々しく、精力体に活動している人が多いです。そんな活力も「シニア起業」に結びついている要因の一つと言えるでしょう。
起業するにあたってのポイント
10代~40代で起業するのとは違って、シニア世代で起業するには抑えておきたいポイントがいくつかあります。
・老後のライフプランを設計しておく
・無理な計画を立てない
・大きな利益を得ようとしない
・肩書やカンバンは忘れる
・意識改革
定年後に起業を考えたとき、大きく分けて5つのポイントが大切になります。それぞれ詳しく見ていきましょう。
老後のライフプランを設計しておく
60代の多くは子どもの手が離れ、パートナーとの老後を考える時期でもあります。自分たちが今後どのように過ごしたいのか、望む生活にいくらの貯蓄が必要なのか、体の無理がきかなくなった場合どのようなサポートを受けるのかなどを決めておくことが重要です。
老後のライフプランがある程度定まっていれば、無理せず起業についても取り組めるでしょう。家族にもきちんと説明したうえで協力してもらえると心強いですね。
無理な計画を立てない
上記でも触れましたが、セカンドステージで起業するには無理な計画は禁物です。老後のライフプランに響くような計画は決しておすすめしません。
シニア世代の起業は「マイペース」も大事です。楽しみながら続けていけるような事業計画を立てることが、第2の人生をより豊かなものにしてくれます。
大きな利益を得ようとしない
起業するからといって大きな利益を得ようとするよりも「本当に自分がやりたいこと」「自分が挑戦したかったこと」「自分の起業で誰かの役に立つこと」を前提として、ビジネスを考えてみるのをおすすめします。
もちろん、生きていく上でお金という報酬を得ることは大切です。しかし、それのみに執着することは、シニア起業ではベストとは言えないでしょう。
シニア起業のいいところは、セカンドライフをより良いものにしてくれる可能性があるところです。自分の人生で本当にやりたかったことや、誰かの役に立つことに焦点を当てることで、利益とは違う豊かさを実らせることができるでしょう。
肩書や看板は忘れる
今まで大企業で重役に就いていた経験がある人も少なくないでしょう。華々しい名声を手に入れていた人も、起業するときはそれを忘れて取り組むことが重要です。
会社勤めで得ていた肩書や看板は、起業するときに役に立ちません。いつまでもそれを意識していると、起業の足かせになってしまったり、自分自身の成長を止めてしまう場合もあります。
「個人」で起業する際は、それまで培ってきた経験や能力、そして実績も自身で立ち上げる事業の礎になりますが、「○○会社の元部長」といった肩書や看板は、もはや自分のものではありません。
意識を改革する
豊富な経験や知識を持っているシニア世代ですが、定年後起業するときは常に「市民目線」「消費者目線」に意識を改革することが大事です。起業はよく「マイペース1人旅」「各駅停車」と例えられます。
自分1人だけで荷物を持ち、切符を購入し、周りを調べ、道を行く。組織に属していたころはスピードが重視されていたことが、起業となれば着実に目的地を目指さなければなりません。このように意識改革を行えてこそ、焦ることなく、心から起業に打ち込める姿勢が整います。
シニア起業は、定年後の選択肢として有意義なものです。経験も知識も豊富で、シニア世代だからこそできる事業や発想は、社会貢献度が高いのも特徴です。
再雇用、再就職と合わせて「起業」という選択肢も取り入れてセカンドライフを楽しみたいですね。
この記事の執筆者

久田敦史
株式会社ナレッジソサエティ 代表取締役
バーチャルオフィス・シェアオフィスを通して1人でも多くの方が起業・独立という夢を実現し、成功させるためのさまざまな支援をしていきたいと考えています。企業を経営していくことはつらい面もありますが、その先にある充実感は自分自身が経営をしていて実感します。その充実感を1人でも多くの方に味わっていただきたいと考えています。
2013年にジョインしたナレッジソサエティでは3年で通期の黒字化を達成。社内制度では週休4日制の正社員制度を導入するなどの常識にとらわれない経営を目指しています。一児のパパ。趣味は100キロウォーキングと下町の酒場めぐり。
【学歴】
筑波大学中退
ゴールデンゲート大学大学院卒業(Master of Accountancy)
【メディア掲載・セミナー登壇事例】
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