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起業すると年収は上がる?起業家・実業家の平均年収や必要な年商、注意点などを解説

[投稿日]2021/03/22 / [最終更新日]2023/08/22

起業すると年収は上がる?起業家・実業家の平均年収や必要な年商、注意点などを解説

「起業家・実業家になると年収は上がる?」
「経営者の年収は会社員よりも高い?」

などと考えていませんか。

当然ですが、一言で「起業家だから高年収」とはいえません。起業家の年収は事業の業績に大きく影響されるため、状況や事業規模別で考える必要があります。

特にこれから起業を考える方は、経営者の年収の目安や、会社員の年収との考え方の違いへの適切な理解が大切です。

そこで本記事では、起業家の年収の決まり方や、経営者の状況別の平均年収、起業家の年収に関する注意点などを解説しています。

最後には、起業して年収を伸ばすためのポイントにも触れているため、ぜひ参考にしてください。

起業家の年収の決まり方

会社員の場合、年収とは「1年間で支給された給与等の合計額(手当やボーナスを含む)」です。そして、社会保険料や税金などが差引かれて、実際に振り込まれる金額が「手取り」となります。

一方で起業家の年収の考え方は、会社員を含む給与所得者の年収とは大きく異なります。

また一言で起業家といっても、個人事業主か法人かによっても年収の考え方が異なるため注意しましょう。

ここでは、起業家の年収の決まり方を、個人事業主と法人経営者に区分して解説します。

個人事業主の場合

個人事業主の年収とは、一般的に「年間の売上高から必要経費を差し引いた所得金額」を指します。所得とは所謂「年間の利益の額」です。

個人事業主の年収(所得金額)=年間の売上高-必要経費

例えば、飲食業経営者で年間の売上高が2,000万円だったとします。このケースで材料費や光熱費、人件費などの必要経費を合計1,500万円支払った場合の所得金額は「500万円」です。

所得税の確定申告上の「収入金額」は年間の売上高を表しており、会社員の年収と同義と勘違いしてしまう方も多いため注意しましょう。

また、個人事業主の所得は青色申告特別控除や青色専従者給与などの、実際には支払っていない金額が収入から差し引かれているケースが多いです。

他にも、所得金額から所得税や住民税、社会保険料などの支払いが必要となるため「会社員の年収(手取り)=個人事業主の所得」ともいえない点に留意してください。

法人経営者の場合

法人で起業して会社の経営者となった場合、年収は「役員報酬」で決まります。役員報酬とは、会社が経営者を含む役員に対して支払う報酬(給与)のことです。

一般的に役員報酬の総額が、法人を起業した際の年収となります。

そのため、法人の所得金額(益金ー損金)がそのまま経営者の年収になるわけではありません。法人が莫大な利益を出していても、経営者の年収はそれほど高くない例もあります。

とはいうものの、役員報酬を上げるには、それだけ法人の利益を上げる必要がある点は間違いありません。事業の規模と役員報酬の額は、ある程度相関関係がある点に留意しましょう。

ただし、一人親方を含む小規模な法人の場合は「会社の利益=経営者の年収」に近い状態となる例も多いです。

役員報酬については以下の記事で詳細に解説しているため、ぜひご覧ください。

役員報酬とは|決め方や相場、給与との違いなどをわかりやすく解説

個人事業主で起業した際の平均年収

以下では「個人事業主=事業所得者」として平均年収の解説を行います。

国税庁が発表している「令和3年分 申告所得税標本調査」によれば、令和3年分における事業所得者の平均所得金額は「約4,906,000円」です。

この金額は年々増加傾向にあります。

ただし、個人事業主で起業した際の年収は、業績に大きく左右される点に注意が必要です。

実際に以下のように、年収100万円以下の方が7.6%存在する一方で、年収1,000万円超の方も8.3%程度存在します。

事業所得者の所得階級別の構成割合
100万円以下 7.6%
100万円超200万円以下 22.6%
200万円超300万円以下 20.0%
300万円超500万円以下 22.9%
500万円超1,000万円以下 18.4%
1,000万円超2,000万円以下 5.7%
2,000万円超5,000万円以下 2.1%
5,000万円超1億円以下 0.4%
1億円超 0.1%

また上述した通り、個人事業主で起業すると青色申告特別控除や青色専従者給与など、実際に支払わないが収入から差し引かれる経費があります。

そのため、実際に手元に残る金額は若干高額になる可能性がある点に留意しましょう。

参考:令和3年分 申告所得税標本調査

起業直後の起業家の平均年収

次に起業直後の年収について触れていきます。

日本政策金融公庫による「新規開業パネル調査」によれば、2016年に開業した企業における1年目(12月末)の報酬額の月額平均は「27.4万円」となっています。年収換算すると「328.8万円」となる計算です。

月額の報酬平均額は年々上昇傾向にあり、起業から4年目の会社で「54.7万円」となります。年収換算すると「656.4万円」です。

2016年に起業した経営者の報酬 平均報酬月額 年収換算
起業直前 35.9万円 430.8万円
2016年末(起業1年目) 27.4万円 328.8万円
2017年末(起業2年目) 35.5万円 426.0万円
2018年末(起業3年目) 38.9万円 466.8万円
2019年末(起業4年目) 54.7万円 656.4万円
2020年末(起業5年目) 48.8万円 585.6万円

起業1年目は起業直前よりも年収が下がる傾向にありますが、起業3年目になると起業直前の年収を超す結果となりました。

また、起業5年目の年収が下がった結果となっていますが、新型コロナウイルスによる業績悪化の影響と考えられます。

実際に、前回調査分である2011年に起業した経営者の月額報酬推移を見ると、起業1年目から5年目まで上がり続けています。

参考:新規開業パネル調査(2021年12月発表分)
参考:新規開業パネル調査(2016年12月発表分)

中小企業経営者の平均年収

2014年度の中小企業の平均的な年収レベルをまとめたデータを見ると、以下のような結果となっています。

手取り年収額 割合
240万円以下 37.5%
240万円超480万円以下 27.3%
480万円超720万円以下 14.1%
720万円超960万円以下 6.7%
960万円超1,200万円以下 5.2%
1,200万円超1,800万円以下 4.8%
1,800万円超2,400万円以下 2.0%
2,400万円越 2.4%

また、人事院による「民間企業における役員報酬(給与)調査」によれば、資本金2,000万円未満の株式会社における役員報酬の平均額は「約6,145,000円」です。

資本金の額が増え、規模の大きな企業になるほど役員報酬も高額になる傾向があります。

役員報酬の金額は、男女で大きな差があることも分かります。

  役員報酬の平均 役員報酬の中央値
男性 約6,919,000円 400万円台
女性 約4,217,000円 100万円台
合計 約6,145,000円 200万円台

しかし上述した通り、会社の利益=起業家の年収とはならない点に注意が必要です。役員報酬の中央値は低めとなっていますが、企業内に資産をプールして、所得税額を調整しているといった例も少なからず存在するでしょう。

他にも、中央値前後である100万円~500万円程度の年収の役員が中心である一方で、1,000万円超1,500万円以下の年収を得ている役員が多い点も特徴です。

年収の階層別で考えると「200万円台」「100万円台」「300万円台」「400万円台」に次いで「1,000万円超1,500万円以下」の方が多い結果となっています。

ただし、上記の結果は起業した経営者だけの年収ではなく、役員全体を見た際の話である点に留意しましょう。

参考:民間企業における役員報酬(給与)調査

上場企業・大企業の経営者の平均年収

日本総合研究所の調査によれば、東証一部・東証二部上場企業における社内取締役の平均年俸は「3,282万円」です。

ただし、ここには代表者以外の取締役の報酬も含まれている点に留意しましょう。

また、人事院による「民間企業における役員報酬(給与)調査」によれば、従業員数が500名以上の企業における社長職の平均年間報酬額は「46,221,000円」となっています。

企業規模を更に細かく分けた際の結果は以下の通りです。

全規模 46,221,000円
3,000人以上 73,726,000円
1,000人以上3,000人未満 45,543,000円
500人以上1,000人未満 39,631,000円

参考:東証一部・二部上場企業における役員報酬の支給実態調査(2021年度版)
参考:民間企業における役員報酬(給与)調査

給与所得者の平均年収

国税庁による「令和3年分 民間給与実態統計調査」によれば、給与所得者全体の平均年収は「443万円」となっています。

男女別で見ると、男性の平均年収は545万円、女性の平均年収は302万円という結果になっています。

給与所得者の平均年収
全体 443万円
男性 545万円
女性 302万円

他にも、正社員のみに着目した場合の平均年収は「508万円」です。

給与所得者の平均年収は、概ね50代までは年齢に比例して増加する点が特徴です。

年齢階層別平均年収
19歳以下 160万円
20歳以上24歳以下 282万円
25歳以上29歳以下 373万円
30歳以上34歳以下 450万円
35歳以上39歳以下 499万円
40歳以上44歳以下 520万円
45歳以上49歳以下 537万円
50歳以上54歳以下 568万円
55歳以上59歳以下 546万円
60歳以上 404万円

また、従業員規模が大きい企業に勤める方ほど、平均年収が高い傾向にあるという結果も出ています。

参考:令和3年分 民間給与実態統計調査

目標の年収に到達するための売上高とは

起業した場合の年収は、売上高(年商)から経費を差引いた後の利益が基になります。

当然、売上高全てが年収になるわけではないため、目標の年収よりも多くの売上高の達成が必要です。

実際に必要な売上高については、起業する業種によっても異なります。例えば利益率が高いコンサルタントやIT系の職種であれば、目標の年収の2倍~3倍程度の売上高でも達成できる可能性があります。

一方で仕入れや製造原価が大きな割合を占める事業の場合、目標の10倍~15倍程度の売上高が必要なケースも多いです。

自分のビジネスモデルに必要な諸経費や人件費などを整理して、それに伴う戦略を練り、必要な売上を稼げば「目標年収」という数字の達成に近付くでしょう。

起業家の年収に関する注意点

「起業家の年収と会社員の年収は似たもの」と考えている方もいます。

しかし実際は異なり、同義として考えていると起業後に大きな失敗をしてしまうリスクが生じます。

ここでは、起業家の年収に関する注意点を解説します。

給与所得者と同じ年収でも生活の水準は変わる

給与所得者と同じ年収であっても、生活の水準は同じになりません。

例えば個人事業主の場合は、売上から費用を差引いた所得金額を手にしても、そこから税金や社会保険料の支払いを行います。

また、会社員であれば福利厚生で受けられるサービスも全額自費で受ける必要があるため、生活の水準は低くなりやすいです。

一方で会社経営者の場合は、企業にプールされた資産や法制度を上手く活用することで「会社の経費として支払う」といった選択も可能となります。

役員報酬の額と比較して高水準な生活を目指せる場合もあるでしょう。

そのため、単純に年収だけを比較するのではなく、支払うべきお金や法的な制度などを適切に理解して、総合的に考えることが重要です。

起業直後は収入がない場合も多い

上記では、起業1年目の報酬額を年収換算した際の金額は「328.8万円」と解説しました。

しかし、起業直後は収入が0円もしくは生活できる水準の金額ではないケースも多いです。

また、法人での起業であれば利益が出なくても役員報酬を設定できますが、あまりに高額だと赤字が増えて事業の存続に影響を及ぼす危険性が生じます。

そのため、起業資金として当面の生活費を準備することが重要です。

これから起業する方は「すぐにサラリーマン時代と同水準の収入を得られる」とは思わないようにしましょう。

時給換算すると収入が下がる恐れもある

会社員と起業家は働き方も大きく異なります。

特に起業当初は「寝る時間以外は全て仕事に費やす」といった例も少なくありません。

その結果、時給換算した際の収入が大きく低下する可能性が生じます。

時給換算して年収を考えるべきというわけではありません。しかし、働き方や労働時間の違いなど総合的に考えて会社員と経営者を比較すべきといえるでしょう。

起業家が年収を伸ばすために重要なポイント

個人事業主はもちろん、役員報酬の形で年収が決まる実業家も、年収を伸ばすには利益を増やす必要があります。

事業で利益が出ないと、当然事業主や経営者の年収も上がりません。

ここでは、起業家が利益を伸ばすために重要なポイントを解説します。

目標の数字を明確にする

起業時には目標の年収を明確にしましょう。目標の数字によって、事業で取るべき経営戦略が大きく変わるためです。

例えば、平均よりも多くの年収を望む場合は、ある程度のリスクを取るべき場面が生じます。労働時間などの働き方を変える必要があるケースもあるでしょう。

一方で「生活に最低限の年収で良い」などと考える場合は、リスクを抑えて事業運営が可能となります。

事業計画で目標の数字が明確にされていれば事業で取るべき戦略が分かり、必要最小限のリスクで目指している年収を達成しやすくなります。

中・長期計画で戦略を練る

起業直後から大きな利益を目指すよりも、中期~長期計画でビジネス展開の戦略を練ることが大切です。

短期的な視点で1つのビジネスに成功しても、今後もそれが通用するとは限りらないためです。生涯年収の視点に着目すれば、目の前の成功よりも、長期的な成功を目指すことが重要となります。

短期的な数字と中・長期的な目標数字を算出し、定期的な分析の結果必要であれば、その都度方向修正を行うことが目標年収に近付き、年収を上げるためのポイントとなります。

数字はもちろんですが、世の中の流れやマーケティングに敏感になり、事業が目標年収から大きく外れないように情報収集を行うことが大切です。

参入業界を吟味する

参入業界も起業後の利益や年収を左右する大きな要素です。

起業する事業内容も、上記と同様に中・長期的な視点で選ぶことが大切です。

消費者の動向を含む外部環境の変化を踏まえて「現在の需要が長期的に続く業界」「これから需要が伸びる業界」などを選択しましょう。

また、莫大な売り上げを目指すのであれば市場規模が大きな業界に参入するといったように、業界の市場規模も重要なポイントです。

自分が好きな分野や興味のある分野で起業を行う選択肢もありますが、利益が見込めない場合は再検討も視野に入れる必要があるでしょう。

年収1億円超の日本の役員報酬ランキング

東京商工リサーチが、2023年6月30日までに提出された有価証券報告書を集計した結果、2023年3月期の役員報酬1億円超の役員数は717人という結果になりました。企業数は316社です。

また、2023年3月期の役員報酬のランキングは以下の通りです。

氏名(会社名) 報酬
慎ジュンホ(Zホールディングス) 48.67億円
吉田憲一郎(ソニーグループ) 20.83億円
クリストフ・ウェバー(武田薬品工業) 17.23億円
ジョン・マロッタ(PHCホールディングス) 16.54億円
河合利樹(東京エレクトロン) 14.20億円
James Kuffner(トヨタ自動車) 13.30億円
出澤剛(Zホールディングス) 12.37億円
豊田章男(トヨタ自動車) 9.99億円
アンドリュー・プランプ(武田薬品工業) 9.73億円
舛田淳(Zホールディングス) 9.54億円

参考:2023年3月期決算 上場企業 「役員報酬 1億円以上開示企業」調査

まとめ

今回は起業家の年収の決まり方や平均年収などを解説しました。

起業家の年収と会社員の年収は、決まり方や意味合いが異なります。また、個人事業主と法人経営者でも異なる側面があるため、それぞれの給与や報酬、所得の違いを理解することが大切です。

民間企業の年収の約443万円が急に1,000万円に増える例は決して多くありません。

しかし起業すれば一時的に年収が下がっても、起業内容と目標年収を明確にして戦略を練れば、数年で大幅な年収アップも夢ではないでしょう。

これから起業を目指す方は、明確な目標や中・長期的な計画を立てて事業計画の作成を行いましょう。

この記事の執筆者

久田敦史

久田敦史

株式会社ナレッジソサエティ 代表取締役

バーチャルオフィス・シェアオフィスを通して1人でも多くの方が起業・独立という夢を実現し、成功させるためのさまざまな支援をしていきたいと考えています。企業を経営していくことはつらい面もありますが、その先にある充実感は自分自身が経営をしていて実感します。その充実感を1人でも多くの方に味わっていただきたいと考えています。

2013年にジョインしたナレッジソサエティでは3年で通期の黒字化を達成。社内制度では週休4日制の正社員制度を導入するなどの常識にとらわれない経営を目指しています。一児のパパ。趣味は100キロウォーキングと下町の酒場めぐり。

【学歴】
筑波大学中退
ゴールデンゲート大学大学院卒業(Master of Accountancy)

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